コロナ禍で生まれたニーズと潮流。北欧『Design Matters』の議論

コロナ禍で生まれたニーズと潮流。北欧『Design Matters』の議論

2021/11/26
テキスト
ジョージア・ロンバルド
編集:柏木良介 リードテキスト・編集:後藤美波

パンデミック中、社会的弱者は自分のニーズに合った製品を利用できていたか?

パンデミックは人々に甚大な心理的・社会的影響をおよぼしました。マイナスの影響を減らすためにテクノロジーが必要不可欠な役割を担うのは当然なことです。

障がいのある人がサービスを利用したり、感染予防対策(手洗い、家具などの表面や自宅の頻繁な清掃、ソーシャルディスタンスの実践など)に取り組んだりする際に、身体の障がいや環境的障壁、サービスの中断によって困難に直面する場合があることをパンデミックは明らかにしました。こういった人々に配慮して開発された製品の1つとして、透明のフェイスマスクがあります。これは聴覚に障がいがあり相手の唇の動きを読み取る必要のある人の感染を予防すると同時に、意思疎通を可能にするマスクです。

Sachika Boutiqueの透明マスク
Sachika Boutiqueの透明マスク

高齢者もまた、若い世代よりも重症化しやすいリスクを抱え、孤立した環境で自立した生活を送ることに苦労しています。極端な社会的孤立は不安障害やうつ病を引き起こすことがわかっています。この問題を克服するために、チェコの企業Kaleidoは作業療法士の協力を得て、森のなかの散歩、砂浜でのリラクゼーション、ヨーロッパの都市、名所の散策、美術館めぐり、チェロコンサートなど、高齢者のニーズと嗜好に合わせたオーダーメイドのVR体験を提供しています。

Kaleidoイメージビジュアル
Kaleidoイメージビジュアル
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イベント情報

『Design Matters』

Design Matters(デザイン マターズ)はコペンハーゲンで毎年開催される「デザイナーによる、デザイナーのための」デザインのカンファレンス。2015年に始まって以来、世界中からデザイナーが集まり、デザインに関する動向を共有するだけでなく、インスピレーションを与える場として発展してきた。来場者は年を追うごとに増え続け、2019年には1,000人ほどのデザイナーがコペンハーゲンに集まった。

プロフィール

ジョージア・ロンバルド
ジョージア・ロンバルド

『Design Matters』コミュニケーション部門責任者。デンマーク・コペンハーゲンを拠点に、ブランディング、デザイン、戦略の領域を行き来してコンテンツを制作。イタリア・ヴェネチア出身で、日本学の学位と経営学の修士号を持つ。デザインとテキストおよびビジュアルでのコミュニケーションへの情熱からキャリアを歩んできた。
豆知識:これまでに6か国に住み、「ONEコンドーム」のデザインコンテストで5回受賞経験がある。おしゃべりなブリティッシュショートヘアの猫を飼っている。

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