Teenage Engineering OP-1のシンセ革命 10周年を機に考える

Teenage Engineering OP-1のシンセ革命 10周年を機に考える

2021/12/03
テキスト・編集
山元翔一
イラスト:ケント・マエダヴィッチ 取材協力:三船雅也(ROTH BART BARON)、Kuro(TAMTAM)

OP-1がミュージシャンに愛される理由。三船雅也とKuroがその出会いを振り返る

星野源やBon Iverのアルバムでも使用されるなど、OP-1を愛用しているのはアマチュアのミュージシャンだけではない。

音楽家たちに幅広く愛される理由はどこにあるのだろうか? その具体的な特徴や魅力を考えるにあたって、楽曲制作やライブでOP-1を使用する三船雅也(ROTH BART BARON)、Kuro(TAMTAM)に協力してもらい、アンケートを実施した。

まずはふたりにOP-1との出会いについて振り返ってもらおう。

三船:おそらく2016年の自主イベント『BEAR NIGHT』でアリー・モブスに教えてもらったのが最初の出会いでした。彼は京都在住のトラックメーカーで、おもちゃのような楽器やコントローラーを自分でつくってしまう、とても面白いアーティストなんです。

アリー・モブスが楽曲で使用している音をどのように見つけているかにフォーカスした動画

三船:彼とオンラインゲームにどハマりしていたときがあり、そしたらアリーのゲーム友達がTeenage Engineeringで働くようになり、彼に本気で勧められたのがOP-1を手にしたきっかけです。その楽器とは思えない可愛らしいキャンディのような見た目、遊び心にひかれてしまいましたし、強いご縁を感じたので。

<b>ROTH BART BARON(ろっと ばると ばろん)</b><br>シンガーソングライターの三船雅也が2008年に結成した日本のインディーフォークバンド。これまでに4枚のEP、5枚のオリジナルアルバムを発表している。2021年12月1日には4年連続リリースとなる6thアルバム『無限のHAKU』をリリース、全国ツアーを開催する。
ROTH BART BARON(ろっと ばると ばろん)
シンガーソングライターの三船雅也が2008年に結成した日本のインディーフォークバンド。これまでに4枚のEP、5枚のオリジナルアルバムを発表している。2021年12月1日には4年連続リリースとなる6thアルバム『無限のHAKU』をリリース、全国ツアーを開催する。
アリー・モブスによるOP-1を使用したビート動画。三船は「ぼくのOP-1の師匠はアリー・モブスです。彼から学んだことはとても大きいです」とも語ってくれた

Kuro:2014年頃、Dirty Projectorsというバンドがラジオライブ出演時の小編成で使用しているのを見たのがOP-1との出会いですね。音色とボディのデザイン双方に一目惚れし、即購入しました。バンドのライブでもずっとメイン機材としてOP-1を使用しています。

<b>Kuro(くろ)</b><br>北海道出身。シンガー、ソングライター、プロデューサー、トランペットやシンセを扱うマルチ奏者であり、東京で活動するバンドTAMTAMのメンバー。2019年9月発売の1stアルバム『Just Saying Hi』より本格的にソロでの活動を開始。EVISBEATSとのコラボを始めとし、以降さまざまなミュージシャン / トラックメイカーとの共作を行う。
Kuro(くろ)
北海道出身。シンガー、ソングライター、プロデューサー、トランペットやシンセを扱うマルチ奏者であり、東京で活動するバンドTAMTAMのメンバー。2019年9月発売の1stアルバム『Just Saying Hi』より本格的にソロでの活動を開始。EVISBEATSとのコラボを始めとし、以降さまざまなミュージシャン / トラックメイカーとの共作を行う。
1:14あたりから見ることができる演奏では、OP-1のループ機能を用いたリズムパート、手弾きによるシンセパート、ボーカルのみで楽曲を構成している

ふたりが共通して指摘するように、OP-1の最大の魅力のひとつはシンセサイザーの難解そうなイメージとは裏腹の可愛らしく遊び心のある見た目だ。

IKEAとコラボして段ボール製のデジタルカメラ「KNÄPPA」(2012年)を発表するなど、遊び心のある発想とそれを具現化する優れたデザインは、Teenage Engineeringのお家芸。ユーザーに対して壁をつくらないデザインは、幅広いミュージシャンに愛される要因にもなっていることだろう。

ちなみに、このどこか有機的で温かみも感じさせるプロダクトデザインは北欧デザインを思わせるが、Teenage Engineering代表のイエスパー・コーフーは「スカンジナビアのデザインは退屈に思えて好きではありません」と笑いながら明かしている(※2)。

「KNÄPPA」について語るイエスパー・コーフー

※2:Rock oN Company『スウェーデン現地取材 teenage engineering 代表 Jesper Kouthoofd 氏インタビュー』参照(外部サイトを開く

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