AAAMYYYがNetflix作品を愛でる 連載初回は『ザ・レイン』を紹介

AAAMYYYがNetflix作品を愛でる 連載初回は『ザ・レイン』を紹介

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AAAMYYY
編集:山元翔一、石澤萌(CINRA.NET編集部)

Netflixを愛するAAAMYYYによる連載がスタート

Netflixがやってきてからというもの、その素晴らしいオリジナルコンテンツを貪るように観ていた。何しろSFやサスペンスを好む私の心に、ズバズバと刺さる作品ばかりなのである。それは自らの音楽にも昇華され、インタビューなどでNetflix愛を散々語るものだから、どうやらその噂がCINRAの担当者の方の耳にも入っていたらしい。

そういうご縁で、今回『Fika』という北欧に特化したメディアにて、Netflixのコラムを連載させていただくことになった。ありがたいお話である。せっかくなので、評論ではなく私なりの観点で、作品から感じ取ったテーマについて語りたいと思う。若干のネタバレを含むので悪しからず、注意して読んでいただけたら幸いだ。

AAAMYYY(えいみー)<br>長野出身のシンガー・ソングライター/トラックメイカー。キャビンアテンダントをめざしてカナダへ留学、帰国後の22歳より音楽を制作しはじめ、2017年よりAAAMYYYとして活動を開始。2018年6月、Tempalayに正式加入。2019年2月、ソロとしての1stアルバム『BODY』をリリースした。
AAAMYYY(えいみー)
長野出身のシンガー・ソングライター/トラックメイカー。キャビンアテンダントをめざしてカナダへ留学、帰国後の22歳より音楽を制作しはじめ、2017年よりAAAMYYYとして活動を開始。2018年6月、Tempalayに正式加入。2019年2月、ソロとしての1stアルバム『BODY』をリリースした(過去記事:AAAMYYYが語る、Tempalayに入るまでの道のりと正式加入の理由)。
AAAMYYY『BODY』を聴く(Apple Musicはこちら

舞台は、殺人ウイルスの雨で壊滅したデンマーク。その世界で、たまたま生き残った姉弟を巡る『ザ・レイン』を紹介

もし世界が終焉を迎えたとして、なぜか自分が生き残っていたとしたら、あなたはどうするだろうか。

今回、私が選んだのはデンマークが舞台のNetflixオリジナルシリーズ『ザ・レイン』。殺人ウイルスの雨により、スカンジナビアの人類がほぼ死滅して6年。地下シェルターで生き延びた姉弟が安住の地を求め闘争する、ポストアポカリプス的サイエンス / ヒューマン / サスペンスドラマである。

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「ポストアポカリプス」とは、人類文明が壊滅した後の世界のことを指すらしい。宇宙モノや、ゾンビモノ、感染系スリラーなどは大抵この終末後の世界が描かれており、このジャンルに値する。例に挙げるとすれば、『ウォーキング・デッド』や『The 100/ハンドレッド』『アイ・アム・マザー』『バード・ボックス』『カーゴ』『アイ・アム・レジェンド』などがある。

ポストアポカリプスに描かれる人々はざっくり2種類で、①「たまたま生き残った人間」と、②「終末の鍵を握る権力者」である。ちょっと詳しくそのあたりを考察していこう。

Netflix『ザ・レイン』より
Netflix『ザ・レイン』より(サイトを開く

様々な作品で描かれるその退廃的な世界は、①生き残った人間たちのその後の物語の場合が多い。『ウォーキング・デッド』をシーズン5までしか見ることができなかったのは、極限状態を超えた人間のむごさや愚かさに耐えきれなくなってしまったからだ。ゾンビだけ倒していけばいいと思ったら、大好きなキャラクターが急に人間に鉄バッドでズタズタに殺されてしまうんだから、嫌になってしまった。

『ザ・レイン』でもやはり、本当に恐ろしいのは人間自身であるということを思い知らされるのだが、よく考えてみれば人間がこれまで辿ってきた歴史の繰り返しがポストアポカリプスの世界で行われているのではないだろうか。

撮影:AAAMYYY
撮影:AAAMYYY

ポストアポカリプス的世界で巻き起こりがちな人間模様。そこに垣間見る、人間の愚かさ

人間が元来持つ「生きたい」という生存意識から始まり、生存するために狩る、食べる、眠る、そのために家やシェルター、畑をつくり、それを守るために敵がいれば戦う。武器が生まれる。仲間や家族が増え、コミュニティができ、それを統治するリーダーや役割が生まれる。統治するためにルールや秩序がつくられる……。というように、無数の国のようなものが再び出来上がっていく。

Netflix『ザ・レイン』より
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その中で、神様だとか暴力だとか人間の観念的な部分で各々の国の個性が形づくられ、その違いで摩擦が起こって戦争になったりしていく(『ウォーキング・デッド』の場合は、恐らくここで暴力によるヒエラルキーが台頭したのだろう)。人間というものは平穏に生きてゆきたいがために、秩序と暴力をどうやら必要とするらしいので、非常に興味深い。どこかしらに属するという集団意識が、心に安心感をもたらすのかもしれない。

そしてその安心を利用して悪巧みをする切れ者がでてくる。大体それが政治家だったり権力者だったりするのは、現在の政治情勢をみても明らかだ。世界が崩壊した後に、同じことの繰り返しが行われると思うと、人間は図太くて愚かな生き物だなあと思うし、そういう人間が終焉後も大概生き残るものだから真面目に優しく生きている人は救われないし、報われない。まったく理不尽な世界である。

撮影:AAAMYYY
撮影:AAAMYYY
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作品情報

Netflixオリジナルシリーズ『ザ・レイン』シーズン1~2

Netflixにて全世界独占配信中

原作・制作:
ヤニック・タイ・モショルト
エスベン・トフト・ヤコブセン
クリスティアン・ポタリヴォ

リリース情報

AAAMYYY
『BODY』

2019年2月6日(水)発売
価格:2,547円(税込)
PECF-3222

1. β2615
2. GAIA
3. 被験者J
4. Z(Feat.Computer Magic)
5. ポリシー
6. ISLAND(Feat.MATTON)
7. 愛のため
8. All By Myself(Feat.JIL)
9. 屍を越えてゆけ
10. EYES(Feat.CONY PLANKTON)

プロフィール

AAAMYYY(えいみー)

長野出身のシンガーソングライター / トラックメイカー。キャビンアテンダントをめざしてカナダへ留学、帰国後の22歳より音楽を制作しはじめ、2017年よりAAAMYYYとして活動を開始。2017年の『WEEKEND EP』を皮切りに、『MABOROSI EP』『ETCETRA EP』と3作品をカセットテープと配信でリリースしている。さらに、RyohuのゲストボーカルやTENDREのサポートシンセ、DAOKOへの楽曲提供やCMソングの歌唱、モデル、ラジオMCなど多方面に携わるなか、2018年6月からはTempalayに正式加入。2019年2月、ソロとしての1stアルバム『BODY』をリリースした。

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