「普通」や「異常」の線引きはいらない。AAAMYYYが綴る多様性

「普通」や「異常」の線引きはいらない。AAAMYYYが綴る多様性

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撮影:タケシタトモヒロ 編集:石澤萌(CINRA.NET編集部)

多様性の中に、自分自身の存在を見いだすことが大切

もうひとつ、Black Lives Matter運動(アフリカ系アメリカ人に対する警察の残虐行為をきっかけにアメリカで始まった人種差別抗議運動のこと)で再び人種差別が浮き彫りとなったアメリカ、同性婚や選択的夫婦別姓が議論となっている日本、挙げればキリのない論争を、Nurture(育ち)による社会的価値観の違いに加えて、何がここまで助長しているのかを考えたい。

この諸悪の根元となるのはおそらく、多様性の誤認であると考える。先に述べたように、多様性という概念は我々人間全般を含むと思うが、そもそも多様性の中に自らを投影していない人、そして多様性の中に自分が入っていると自覚している2種類の人間がいる。大概の場合、先ほど述べたようなハンディキャップのある人などが取り上げられ、差別を受けてきた。そして、差別する側が「普通」で優勢だと考えてしまう人を、差別を受けた側が疎ましく思ってしまうのも仕方のないことである。しかしこれは、本来は多様性の誤認であって、ナチスのようにわざと誰かが差別を助長したのではないはずだ。

既に構築されている社会の概念やシステムを変化させるためには、世の中で「当たり前」とされるものが誤認で、もしくは特異であることも「普通」なのだと人々が理解していくこと以外に方法はないであろうと私は思うのである。それも噛みつく喧嘩ではなくて、リタが教室で子どもたちに教えるように、多様である自分たちの相互理解ができるような、人に優しい方法が存在するはずだと私は信じている。

AAAMYYY

連載:AAAMYYYが観るNetflix北欧映画&ドラマ

Netflix好きで知られるミュージシャン・AAAMYYYがNetflixで公開されている北欧映画やドラマから独自の考えを綴るコラム連載。これまで『ぼくのエリ』『ザ・レイン』『ラグナロク』など取り上げた。

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プロフィール

AAAMYYY(えいみー)

長野出身のシンガー・ソングライター / トラックメイカー。キャビンアテンダントをめざしてカナダへ留学、帰国後の22歳より音楽を制作しはじめ、2017年よりAAAMYYYとして活動を開始。2018年6月、Tempalayに正式加入。2019年2月、ソロとしての1stアルバム『BODY』をリリースした。

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