戸田真琴×飯田エリカが語らう、魂が喜ぶように生きることが大切

戸田真琴×飯田エリカが語らう、魂が喜ぶように生きることが大切

2020/04/17
テキスト
飯嶋藍子
撮影:垂水佳菜 編集:石澤萌(CINRA.NET編集部)

異性から性的に見られることへの嫌悪感。家族と性。寄せられた性の悩みに寄り添う

ふたりの性に対する姿勢にじっくりと耳を傾ける来場者。ここからは、コラム読者と来場者の性に関する生きづらさを綴った悩みをいくつかピックアップし、戸田と飯田が答えていく。まず寄せられたのは、性に対する目線の悩み。

男性から性的に見られているなと気がついてしまった瞬間、その人のことが気持ち悪いと感じてしまいます。
男性女性としてではなくて、まずは人間として人を見たいと思っているつもりですが、実は自分は異性への差別意識のようなものが強いのかもしれないと悩んでいます。

戸田:それは差別意識じゃないよ、絶対。人と人として知り合えていない人とは、何にもなれないんじゃないかな。そうじゃないと苦しいよ。私、マネージャーが毎回若い男性なんですけど、マネージャーと付き合ってるんじゃないかって必ずと言っていいほどどこかに書かれたり噂をされたりする。マジでそんなわけはなくて。私は円滑に仕事ができるようにコミュニケーションをしているだけだし、お仕事で関わる人に対してはいろんな線引きをきちんとしているつもり。だから、この方はむしろ女性というだけで性的に見られる、という事実を不愉快に感じている。差別をする側ではなくて、されて不愉快になっている側の気持ちなんじゃないかなと思います。

戸田真琴
性に開放的になりすぎたことが原因で勘当された弟のことを、家族で隠しています。
性と関連づけて家族を語ること、家族が性を語ることの嫌悪と正面から戦えず、今も迷っています。

飯田:家族のなかで性ってタブーですよね。

戸田:そうですね、家族のなかで性というか……私は性の100歩手前のところまでタブーのような家だったんですよ。家族が嫌いっていうわけではないんですけど、家族とは別の世界で元気でいることが私にできる正しいことなんじゃないかなって。

飯田:家族ってどうしても愛し合っていて当たり前って概念があるじゃないですか。そうではなくて、家族であろうが人と人だから、わかり合える点もそうじゃない点もある。今回は弟さんとわかり合えない点があったってことだと思うんですけど、そこを無理にわかろうとすると苦しいかもしれませんね。大事にする方法って無理やり一緒にいるだけではなくて、それぞれのことを守るためにも離れるっていうのも一種の愛だと思います。自分の心が苦しくならないような向き合い方で正しいんじゃないかなと思います。

「私には、父親の血が流れている」家族という関係に、人生を縛られている人の悩みに答える

続いては、家族と離れたとしても、自分のなかに家族を感じてしまう瞬間の悩み。

私が幼い頃に離婚したため、父との記憶はないのですが、ずっと酷い人だったと聞かされて育ちました。
父と同じく暴力を振るってしまった過去があり、もう落ち着いてはいるものの、今でも家族に怖がられてしまうことがあります。
そのたびに、父親と同じ血が流れている時点で、もう運命は決まっているというか、過去は過去でも父が私の中にいるようで、辛くなります。
私がわたし自身を愛せるようになりたいとき、父が邪魔をする。どうすればいいでしょう。

戸田:そうだねえ、苦しいね。親って選べないよね。

飯田:質問している方のことがすごくわかります。私も父親が相当ひどくて。それを間近で見ていたので、男性に対してコンプレックスも抱いてしまうくらいでしたし、その父と同じ血が流れている、父と同じようになってしまうかもしれないという恐怖もありました。

でも父親が自分のなかにいることで、自分ができているわけじゃないって思ったんです。この方はそういう性質があるかもしれないって自覚しているし、自覚できたらコントロールもできると思う。自分のことを知ることはすごく難しいけど、もう知っているじゃないですか。だから、ここを超えたらやばいってラインもわかっているはず。ときにキャパを超えてしまっても、愛してくれてる人はそこを支えてくれると思いますよ。

飯田エリカ
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イベント情報

『わたしが、わたしを愛する日 -戸田真琴が贈る映画上映×トークイベント-』
『わたしが、わたしを愛する日 -戸田真琴が贈る映画上映×トークイベント-』

2020年3月22日(日)
会場:渋谷ヒカリエMADO

プロフィール

戸田真琴(とだ まこと)

2016年にSODクリエイトからデビュー。その後、趣味の映画鑑賞をベースにコラム等を執筆、現在はTV Bros.で『肯定のフィロソフィー』を連載中。ミスiD2018、スカパーアダルト放送大賞2019女優賞を受賞。愛称はまこりん。初のエッセイ『あなたの孤独は美しい』を2019年12月に、2020年3月には2冊目の書籍『人を心から愛したことがないのだと気づいてしまっても』を発売した。

飯田エリカ(いいだ えりか)

1991年東京都出身。2013年少女写真家として活動をはじめる。自らの少女時代の記憶をもとに今だからこそ写せる少女、女の子を撮影した“少女写真”という表現を追い求め作品を制作。女の子たちのための写真活動を志している。19年から女の子を撮る女の子のコミュニティー『またたく女の子たち』を主催している。

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