「自分にとっての最終ミッションは、ペット関係の展開です」
―ともに暮らす相手のことを想像したり思いやることは、ペットでも人間でも大事ですね。コロナ禍になってペットを飼う人が増え、やっぱり飼いきれなくなって手放すケースが増えているというニュースも耳にします。
野田:すべては知識不足が原因だと思います。飼ったらどうなるかなんて、いままで一度も動物を飼ったことのない人には想像つかないじゃないですか。免許があるわけでもないし、「なぜ知らないんだ?」と責めることでもないと思う。最初に話したように、ぼくだってはむはむを飼い始めたときは全然知識もなかったわけですから。
いずれにせよ、ペットショップが正しい知識を発信できていないことは問題だと思います。飼ったらどうなるか、どんなことが必要になるか、動物の特性や飼い方も含めて、正しい知識を持って説明をしなければいけないと思います。命を扱っているわけですから。
―「ペットの衝動買いはやめましょう」とよく言われていますが、衝動買いそのものが悪いのではないような気がします。
野田:逆に言えば、初めてペットを迎え入れる人に「衝動買い」以外の理由なんてないですよね。みんなある意味では「衝動買い」じゃないですか。となると、やっぱり飼うときに半ば強制的にでも「飼ったらどうなるのか」「飼ううえで何が必要なのか」を教えておくべきだと思う。
たとえば、「田舎暮らし」に憧れて、都会から田舎へ引っ越してきて現実とのギャップにショックを受ける、なんてケースがありますけど、それに近いものがあるかもしれない。ペットの可愛い動画を見ていいなと思って、いざ育ててみたらウンコもするし小便もする。その想像ができるかどうかはやっぱり「知識」や「情報」が大切なのだと思います。
―野田さんがTwitterでハムスターの飼育情報を発信しているのは、そういう「知識」や「情報」を発信したいという思いもありますか?
野田:正直、ぼくははむはむのことで精一杯なので、有益な情報を発信しているというよりは「何か間違っているところがあったら指摘してほしい」という気持ちのほうが大きいです。
―ファンとの関係性も、はむはむちゃんと暮らすようになってまた変わったのでしょうね。
野田:ぼくのTwitterを「ハムスター情報アカウント」として使ってくれている人もたくさんいますからね。フォロワーのなかには、ぼくのことは知らない人もたくさんいます。ぼく自身もハムスターの情報をもらうためにTwitterを更新しているところはありますし。
以前、はむはむの調子が悪くなったときにフォロワーから山ほどDMをいただいて。いい病院を紹介してもらって本当にありがたいなと思いました。おそらく一番素晴らしいTwitterの使い方をしている人間なんじゃないでしょうか(笑)。
―野田さんは芸人以外にも、ゲーム開発やパーソナルジムのプロデュースなど他方で活躍されているので、いつか動物やペットを救うような施策にも期待しています。
野田:それ、めちゃくちゃ考えていますよ。自分にとっての最終ミッションがペット関係の展開ですね。
たとえば、保護されたペットが暮らす環境を整えて快適な場所にするとか。もし飼い主が見つからなくてもそこで一生暮らせるくらいの、管理の行き届いた場所をつくるのが理想です。ペットが人間に飼われなくてもいい世界ができたら幸せじゃないですか。
いつか芸人としてやるべきことを「一通りやった」と思えたときに、始められたらいいなと思っています。まだあまり人には言ってないですけどね。ゲームとかマッチョは「お笑い」に結びつけられますけど、「ペットのための施設をつくる」って笑いづらいじゃないですか(笑)。だからこそ最後にやるべきなのかなって。
しかも自分がやろうとしていることは、ゲームや筋トレの比じゃないくらいお金がかかると思うので、まずはお金をたくさん稼がなきゃいけないですね。そういう意味でも、順番としてちょうどいいのかもしれない。いま、自分がやるべきことをしっかりやって、それで集まったお金でペットに貢献できたらいいなと思っています。
施設情報
- クリスタルジム
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野田クリスタルがプロデュースするパーソナルジムが、10月24日(日)より「対面パーソナルトレーニング」を開始します。
プロフィール
- 野田クリスタル(のだ くりすたる)
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1986年11月28日生まれ。お笑いコンビ・マヂカルラブリーのボケ担当。コンビとしては『M-1グランプリ2020』王者、個人としては『R-1ぐらんぷり2020』王者。ゲームクリエイターとしても活躍しており、2021年4月に発売した『スーパー野田ゲーPARTY』は8万本を超える売り上げを記録。