三戸なつめと柴田紗希が、大人を癒すムーミンバレーパークに潜入

3月16日、埼玉県飯能市に、本国フィンランド以外では世界初となるムーミンのテーマパーク「ムーミンバレーパーク」がオープンした。原作者トーベ・ヤンソンが生み出したムーミンの世界を、さまざまなアプローチで体感できるこのテーマパーク。

今回、子どもの頃からムーミンの世界に触れてきたという三戸なつめと柴田紗希の2人に一足早く現地を来訪してもらい、実際にいろいろなアトラクションを楽しんでもらいながら、そこで感じたことを率直に語り合ってもらうことにした。子どもはもちろん、大人からも愛され続けているムーミンの世界の魅力とは、果たしてどこにあるのだろうか。遊びつくした1日の終わりに、話を聞いた。

私たち、ムーミンたちと結構好みが一緒なんだよね(笑)。(三戸)

最初に訪れたのは、ムーミン一家が暮らす住まいをガイドさんの案内のもと体験できる「ムーミン屋敷ツアー」。地下1階から地上3階の屋敷で、ムーミン達の暮らしを覗き見ることができます。

左から:柴田紗希、三戸なつめ。ムーミン屋敷の前で

三戸:ムーミンのおうちは、外から見るだけでも可愛いんですけど、家の中に入ってみたら、インテリアとか小物とかもすごく細かく作り込んであってテンションが上がりました。

それぞれの部屋も、置いてあるインテリアや小物を眺めているだけで「ムーミンママは、こういうお洋服が好きなんだな」とか「ムーミンパパはこんな趣味があるんだ」というのが、すごくわかるようになっているんですよね。そういう細かい部分までしっかりしているので、ムーミンの世界に没入できました。だから、ムーミンのことをよく知らない人が見ても、きっと楽しいんじゃないかな。

ムーミン屋敷1階の、食卓にて。テーブルの上には本物そっくりのジャムやサンドイッチなどが置かれている。テーブルや椅子はムーミンたちのサイズなので小さめ。
壁に掛けられた家族写真を眺めている様子。
ムーミンママのお部屋にて。ツアーガイドのお姉さんがムーミンママのバッグの中身を見せてくれている様子。
可愛いお部屋に興奮し、終始撮影が止まらない2人。

柴田:置いてある家具とかグッズ、一つひとつが本当に可愛いかったなぁ。どれも色使いとか細工がすごくきれいで繊細で。ここに住みたいなって思っちゃいました(笑)。

三戸:住みたいよね~! 私たちみたいな系統のファッションが好きな子は、とくに大好きなんじゃないかな。

柴田:すごい親近感を感じたし、これは真似したいなって思うものもいっぱいありましたね。

三戸:私たち、ムーミンたちと結構好みが一緒なんだよね(笑)。

柴田:そうそう(笑)。

ツアーには、オリジナルのステッカーのお土産付き。

ムーミンのアート的な側面を、ここまでの規模でちゃんと見るのは初めて。(柴田)

続いて向かったのは、湖を滑車で横断する「飛行おにのジップラインアドベンチャー」。往復約400mの湖を滑空し、絶景を楽しみながらスリルも味わえる人気アトラクションです。小説『たのしいムーミン一家』に登場する「飛行おに」のように、森の中や湖の上でルビーの王様を探します。

出発直前の様子

三戸:めっちゃ楽しかったです! ムーミンの世界にいることを、ちょっと忘れそうになるほど(笑)。

柴田:スタッフの人が、いろいろ教えてくれるんですよね。私は知らなかったんですけど、「飛行おに」はムーミンの小説に出てくるキャラクターで、飛行おにがずっと探している宝物が、このムーミンバレーのどこかにあるんです、とか。

ほっこりした世界の中に、ああいうスリルのある体験型のアトラクションがあるのもまた楽しいなって思いました。

柴田紗希
三戸なつめ
滑空中の2人

次に向かったのは、展示スペースの「コケムス」。フィンランド語で「体験」を意味するこのスペースでは、ムーミンの世界へ誘うインタラクティブな体感展示スペースや、常設展 / 企画展、セレクトショップやカフェが併設されています。

三戸:ムーミンのすべてを知ることができる博物館みたいな感じでした! 私は正直、作者のトーベ・ヤンソンさんについて、あまりよく知らなかったんですけど、「コケムス」にある展示物を見て、ものすごく興味が湧きました。

柴田:ムーミンのアート的な側面を、ここまでの規模でちゃんと見るのは初めてで、すごく面白かったです。

コケムス内のインスタレーション。床の映像を踏むと水面が動く
コケムス内の展示を鑑賞中
コケムスには、ムーミン谷のジオラマもある

感覚的に惹きつけられるものが、北欧のものにはあるのかもしれない。(柴田)

遊びつくしたところで、最後にパンケーキレストラン「レットゥラ」へ。パンケーキを食べながら、今日1日を振り返ります。

—1日ムーミンの世界を体験しましたが、いかがでしたか?

三戸:「ムーミンバレーパーク」がこんなに自然の中にあるとは思ってなかったです! もうちょっと都会的なテーマパークをイメージしていたんですよね。こんなに自然がいっぱいだと、子どもだけじゃなくて、むしろ大人のほうが楽しめるんじゃないかと思いました。

柴田:湖沿いの道を歩いていたら、そのままムーミンの世界にスッと迷い込んでしまったような感じがしました。

2人が注文したパンケーキ。手前が雲のコットンキャンディーパンケーキ。奥がベリーベリーLettu。飲み物はカフェラテ(HOT)。

—おふたりは、何歳ごろ、どんなふうにムーミンを知ったのでしょう?

三戸:何をきっかけに知ったんだろう。多分、私はアニメとかも見てないし、いつのまにか知っていたっていうのが、正直なところかもしれないです。

柴田:家の中に、いつのまにか自然とムーミンの物があった感じなんですよね。

三戸:お母さんが、ムーミンのエプロンとかハンカチを持っていて、それで自然と知るようになった感じかもしれない。

柴田:だから、すごい小さい頃から、ムーミンのキャラクターたちには慣れ親しんでいるんですけど、その内容は意外と把握してなくて。だから、今日「コケムス」で、原作のこととか、ムーミンの世界に作者の方が込めた思いとかをいろいろ知ることができて、ムーミンの物語を改めて深く知りたいと思ったし、小説版もちゃんと読んでみたいなって思いました。

柴田:私たちが好きな北欧の小物とか洋服とかも、そういうところがあるかもしれないですよね。知らない間に、いつの間にか慣れ親しんでいたみたいな。

三戸:わかる。可愛いと思って手に取ったら北欧のものだったっていう。北欧だから手に取ったわけじゃないんですよね。好きになったら、全部北欧のものだったってことがけっこうよくあります。それを言ったら、ムーミンだってそうだよね。北欧のものだから好きになったんじゃなくて、好きになったら実は北欧のものだったっていう。

柴田:そうだよね。ムーミンがフィンランドの話だったなんて、子どもの頃は知らなかったし(笑)。でも、そうやって感覚的に惹きつけられるものが、ムーミンをはじめ、北欧のものには何かあるのかもしれないですよね。

ムーミンのグッズを集めたりするのって、大人が多いような気がしない?(柴田)

—「ムーミンバレーパーク」のある「メッツァ」には、「余白を楽しむ」というコンセプトがあるそうです。大自然の中敷地も広くて、時間の流れもどこかゆったりしてますよね。

柴田:ここにいると、「無」になれる感じがしたんですよね。都会の生活ではなかなか味わえない感覚なので、こういうところに来て「無」になったり余白を楽しむっていうのは、すごく大事なことだと思います。

三戸:この園内は、ただ普通に歩いているだけで、すごく癒される感じがしたんですよね。そういうことかな?

柴田:ここに入った瞬間から自分が解放された気がしたんだよね。

三戸:あと、子どものときに感じた不思議な気持ちみたいなものを、ちょっと思い出したんだよね。

柴田:どういうこと?

三戸:子どものころって、親にどこかに遊びに連れていってもらって、そこで夢中で遊んで、すごく楽しいんだけど、ふと「ここ、どこだっけ?」って、何か不思議な感覚になる瞬間ってあったじゃない?

柴田:ああ、なんかわかるかも。

三戸:そういうのって、都会にいると絶対感じないんだけど、今日ここにきて、ちょっとその子どものときの感覚を思い出したんだよね。

柴田:それは、ムーミンの世界に感じる「懐かしさ」みたいなものが関係しているのかもしれないよね。どこか子どもの頃の感覚に戻れるところがあるというか。だから実は、子どもよりも、むしろ大人のほうが、いろいろと感じるものがあるのかもしれない。

三戸:それはあるよね。

柴田:ムーミンのグッズを集めたりするのって、大人が多いような気がしない? ムーミンのことは昔からみんな好きだったけど、ムーミンのグッズを集めているような子どもって、私が小さい頃は、あんまりいなかったような気がするし。

小さいときは、ムーミンの世界の雰囲気に漠然と惹きつけられて、大人になってからそのアート性や哲学的な部分を改めて知って、もっと好きになる感じなのかな。やっぱりムーミンの世界には、大人を惹きつける何かあるってことですよね。それは今日、私も改めて思いました。

こうしてムーミンの世界について考えたり話したりするのは、なんか楽しいですよね。ムーミンの世界がさらに好きになっていくし、どんどん興味も湧いてくる。

三戸:めっちゃなるよね。でも、そこがムーミンの世界のいちばんすごいところかもしれないよね。

施設情報
ムーミンバレーパーク

〒357-0001 埼玉県飯能市宮沢327-6 メッツァ
営業時間:10:00~20:00
入園料:大人1,500円 子ども1,000円

プロフィール
三戸なつめ (みと なつめ)

1990年2月20日生まれ。2010年に関西で読者モデルの活動を開始。15年には中田ヤスタカプロデュースによる「前髪切りすぎた」でアーティストデビュー。17年1stアルバム「なつめろ」をリリース。同年12月には、昔からの夢でもあった絵本作家としてのデビューを果たす。18年からは本格的に俳優としても活動を開始し、ドラマ&映画「賭ケグルイ」や舞台「鉄コン筋クリート」などに出演。映画「パディントン」では日本語吹き替え声優も務めるなど、活動の幅を広げている。

柴田紗希 (しばた さき)

“しばさき”の愛称で幅広い年齢層の女性から親しまれる愛知県出身のモデル。ファッションモデルとして人気女性ファッション誌「mer」で12ヶ月連続表紙を飾る。ヴィンテージアイテムに詳しく、自身がプロデュースする配信番組「usum」で自らセレクトした洋服とヴィンテージアイテムの販売も行なっている。また、最近では全国各地を飛び回り地方の活性化にも力を注いでおり、現在は離島のPRアンバサダーも務める。



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「幸福度が高い」と言われる北欧の国々。その文化の土台にあるのが「クラフトマンシップ」と「最先端」です。

湖や森に囲まれた、豊かな自然と共生する考え方。長い冬を楽しく過ごすための、手仕事の工夫。

かと思えば、ITをはじめとした最先端の技術開発や福祉の充実をめざした、先進的な発想。

カルチャーマガジン「Fika(フィーカ)」は、北欧からこれからの幸せな社会のヒントを見つけていきます。

スウェーデンの人々が大切にしている「Fika」というコーヒーブレイクの時間のようにリラックスしながら、さまざまなアイデアが生まれる場所をめざします。

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