和田彩花にとっての自由と不自由。身の回りに自覚的になりたい

和田彩花にとっての自由と不自由。身の回りに自覚的になりたい

インタビュー・テキスト
羽佐田瑶子
撮影:寺内暁 編集:柏木良介(CINRA)、後藤美波(CINRA.NET編集部)
2021/07/29
  • 591
  • 59

行動や人との距離に規制がかけられ、生活が変容した2020年以降。社会制度や生活における「自由」とは何かを考える機会も増えました。「Freedom to move in a personal, sustainable and safe way. - お客様ひとりひとりに最適、かつサステイナブル、そして安全な方法で移動できる自由をご提供したい」を企業ミッションに掲げるVOLVOにとっても、「自由」は重要なキーワードです。

このミッションからインスピレーションを受けたトピックについて、ゲストとともに対話を深める新連載「話しながら考えよう@VOLVO CAFE」。第1回は「Freedom / 自由」をテーマに据え、アイドルの和田彩花さんをゲストにお迎えしました。

パブリックイメージの「アイドル像」から離れ、自由な活動に注目が集まる和田彩花さん。ジェンダーや社会問題を問うことも自然であり、自分の意思が介在する言葉の強さは彼女の魅力のひとつでもあります。

和田さんにとっての「自由」とは。答えを導き出すことが難しい問いを、彼女だからこそぶつけてみたい。VOLVOの世界観を体感できるブランドコンセプトストア「ボルボ スタジオ 青山」に和田さんを招き、仕事、アイドル、美術にとっての自由や、自由と不自由の関係……「自由」にまつわるさまざまな話題について話を聞きました。

「自己決定できるという状態が、私の自由だなって思います」

和田:今回のテーマが「自由」だと聞いて、おうちでもいろいろ考えてきたんですよ。

―ありがとうございます。「自由」と聞いて、まず何から考え始めましたか?

和田:自由と聞いて初めに思い浮かんだのは、フランスの標語「自由、平等、友愛」のことでした。国の公式なスローガンになっているこの言葉の起源や、フランス革命後の美術を思い浮かべながら、「自由ってなんだろう?」と考えました。

―「自由、平等、友愛」はもともとフランス革命時のスローガンの一つで、市民の権利を提唱するものでしたね。

和田:世界の秩序を保つために、制度や絶対的な力が求められる場面もあるけれど、市民たちが少しずつ力を得て自分の声に自覚的になっていくことで、自由は得られた。内なる声や置かれている状況に自覚的になることで自由が生まれる、と私も思うんです。

和田彩花<br>1994年8月1日生まれ。群馬県出身。アイドル。2009年4月アイドルグループ「スマイレージ」(後に「アンジュルム」に改名)の初期メンバーに選出。リーダーに就任。2010年5月『夢見る15歳』でメジャーデビューを果たし、同年『第52回日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞。2019年6月18日をもって、アンジュルム、およびHello! Projectを卒業。アイドル活動を続ける傍ら、大学院でも学んだ美術にも強い関心を寄せる。特技は美術について話すこと。特に好きな画家は、エドゥアール・マネ。好きな作品は『菫の花束をつけたベルト・モリゾ』。特に好きな(得意な)美術の分野は、西洋近代絵画、現代美術、仏像。趣味は美術に触れること。
和田彩花
1994年8月1日生まれ。群馬県出身。アイドル。2009年4月アイドルグループ「スマイレージ」(後に「アンジュルム」に改名)の初期メンバーに選出。リーダーに就任。2010年5月『夢見る15歳』でメジャーデビューを果たし、同年『第52回日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞。2019年6月18日をもって、アンジュルム、およびHello! Projectを卒業。アイドル活動を続ける傍ら、大学院でも学んだ美術にも強い関心を寄せる。特技は美術について話すこと。特に好きな画家は、エドゥアール・マネ。好きな作品は『菫の花束をつけたベルト・モリゾ』。特に好きな(得意な)美術の分野は、西洋近代絵画、現代美術、仏像。趣味は美術に触れること。

和田:たとえば美術の世界に置き換えて話すと、絵画では初めは三次元の現実世界をそのまま写しとることが良しとされてきました。だけど、近代になるともっと平面的な表現や別の見方も魅力的だとされて、いろんな角度から物事をとらえる芸術家が増えたことで美術の自由が生まれたと思います。

―芸術家たちが、自分のやりたい表現に自覚的になったんですね。

和田:そうだと思います。私たちも、時代の流れとしては自由を獲得してきたわけですが、いまは「ちょっと息苦しいね」とみんなが言い始めている気がしていて。そういう状況下での「自由」とは何だろうと思います。

和田彩花

―和田さんは「アイドル」という肩書きで活動されていますが、MCを務めた報道番組で時事的な発言をされたり、ジェンダーやフェミニズムに対しても臆することなく発言されていたり、既存の「アイドル像」から自由であると感じています。そのことについては、自身でどう思われていますか?

和田:そうですね……私はわりと、一つひとつの物事に対して「どうしてだろう」「なんでだろう」を考えたいタイプなんですが、そういう人間がアイドルの世界に10年いると、既存のアイドル像に自覚的にならざるを得ないんですね。私がアイドルをやっているのは、ステージに立って歌って踊るのが好きだから。でも、ルールや既存の概念に違和感を持つことがあったので、「アイドル像に囚われないでいる」というのは自然と自己表現の目標になりました。

いまは一人になって、自分の欲求に向き合えているので、自由だなって思います。たとえば、時事ネタが得意なわけではないけれど、社会に対して発言することが自分の仕事になっていることは嬉しい。報道番組の収録からの帰り道とか、すごく楽しかったって思うんですよ。ライブもやっぱり大切で、自分のやりたい表現をバンドメンバーと一緒に一生懸命探る時間はすごく自由を感じます。

和田彩花が2020年に行った配信ライブのダイジェスト映像

―自分のやりたいことに向き合って、自覚的になったことで自由が生まれたんですね。

和田:そうですね。私の場合は、身の回りにあるものに対して自覚的になればなるほど、自由が訪れると感じます。

自分の理想はなんだろうとか、このルールはどうして必要なんだろうとか。考えながら答えにたどり着いて、自己決定できるという状態が、私の自由だなって思いますね。でもそれは、私が考えるタイプだからっていうのもあるので、万人に当てはまることではないです。

Page 1
次へ

プロフィール

和田彩花(わだ あやか)

1994年8月1日生まれ。群馬県出身。アイドル。2009年4月アイドルグループ「スマイレージ」(後に「アンジュルム」に改名)の初期メンバーに選出。リーダーに就任。2010年5月『夢見る15歳』でメジャーデビューを果たし、同年『第52回日本レコード大賞』最優秀新人賞を受賞。2019年6月18日をもって、アンジュルム、およびHello! Projectを卒業。アイドル活動を続ける傍ら、大学院でも学んだ美術にも強い関心を寄せる。特技は美術について話すこと。特に好きな画家は、エドゥアール・マネ。好きな作品は『菫の花束をつけたベルト・モリゾ』。特に好きな(得意な)美術の分野は、西洋近代絵画、現代美術、仏像。趣味は美術に触れること。

Category カテゴリー

Latest Articles 最新の記事

What's "Fika" ? フィーカとは

「Fika」はCINRA.NETとVOLVOが送る、北欧カルチャーマガジンです。北欧デザインの思想の基盤を「クラフトマンシップ×最先端技術」と捉え、そこに学びながら、これからのカルチャーやライフスタイルにまつわるコンテンツをお届けします。