北欧発ボードゲームの魅力。芸人・いけだてつやと遊びながら探る

北欧発ボードゲームの魅力。芸人・いけだてつやと遊びながら探る

インタビュー・テキスト
宇治田エリ
撮影:佐藤翔 編集:吉田真也(CINRA)

北欧の都市を鉄道で巡る。地域性を感じられる『チケット・トゥ・ライド』

続いては、人気シリーズ『チケット・トゥ・ライド』。このシリーズは北アメリカ大陸版から始まり、ヨーロッパ版、ドイツ版、日本版、世界地図版などさまざまなバージョンがある。今回プレイしたのは、北欧バージョンの『チケット・トゥ・ライド:北欧の国々』だ。内容は、都市の鉄道路線を舞台に、出発地から目的地まで誰がもっとも進められたかを競うというシンプルなもの。

いけだ:『チケット・トゥ・ライド』シリーズも、2004年に「ドイツゲーム大賞」で大賞を受賞している名作。5分でルールを理解できるのが売りなので、幅広い年齢層に親しまれています。このゲームの各地域シリーズをやりこむ「チケライファン」と呼ばれる人たちもいるんですよ。

北欧版の場合は、ラウマ鉄道という蒸気機関車やフェリーを乗り継いで地域を横断する設定。カードに描かれた列車には雪が積もっていて、海を渡らないといけないルートがあるなど、北欧の地域性を感じながら遊べます。

サンタクロースとトナカイなどいかにも北欧らしいパッケージの『チケット・トゥ・ライド:北欧の国々』。
サンタクロースとトナカイなどいかにも北欧らしいパッケージの『チケット・トゥ・ライド:北欧の国々』。
最初に「出発地と目的地が結ばれたカード」が配られる。ほかのプレイヤーの目的地はどこか推理しながら、自分が目指すルートを確認しよう。
最初に「出発地と目的地が結ばれたカード」が配られる。ほかのプレイヤーの目的地はどこか推理しながら、自分が目指すルートを確認しよう。
その後、この「列車カード」が配られる。
その後、この「列車カード」が配られる。
手持ちの「列車カード」の色と枚数が、ボードの路線の色と枠数にちょうど合えば、そのルートに列車を置ける。
手持ちの「列車カード」の色と枚数が、ボードの路線の色と枠数にちょうど合えば、そのルートに列車を置ける。
最終的に、初めに配った「出発地と目的地が結ばれたカード」と自分が配置できた列車のルートを照らし合わせて、より多く目的地まで横断した人が勝利となる。
最終的に、初めに配った「出発地と目的地が結ばれたカード」と自分が配置できた列車のルートを照らし合わせて、より多く目的地まで横断した人が勝利となる。

実際にやってみると、行こうとしていたルートをほかのプレイヤーに取られてしまったり、欲しい電車の色が手に入らなかったり。シンプルなゲームだが、なかなか難しい! また、北欧のおおまかな地形や都市の名前も、楽しみながら覚えられるので学びにもなった。

ノルウェーに実在する漁村が舞台。戦略が重要になる『ヌースフィヨルド』

3つ目は、ノルウェー北部のロフォーテン諸島に実在する漁村・ヌースフィヨルドをテーマにした『ヌースフィヨルド』。50年前に全盛期だった漁村をふたたび繁栄させるべく、プレイヤーは漁業会社のオーナーとして事業の発展を目指していくという内容。資金を増やしながら村を開発するゲームだ。全7ラウンドをプレイし、最終的に船や建物、所有する株券がもっとも多いプレイヤーが勝者となる。

いけだ:ぼくが好きなタイプの計画性が必要なゲームです。通常ルールで行うと2時間近くかかるので、じっくり頭を使うゲームがしたい人におすすめ。戦略を練りながら進めていくと、4ラウンド目くらいから大波乱が起こりはじめて、どんどん面白くなっていきます。

漁村が描かれている『ヌースフィヨルド』のパッケージ
漁村が描かれている『ヌースフィヨルド』のパッケージ
プレイヤーごとに土地と家を持ち、そこを拠点に漁業をとおしてビジネスや領地、資産を拡大していく。運の要素はあまりなく、かなり頭を使うゲームだ。
プレイヤーごとに土地と家を持ち、そこを拠点に漁業をとおしてビジネスや領地、資産を拡大していく。運の要素はあまりなく、かなり頭を使うゲームだ。
ゲームとはいえ、実際に開拓によって栄えた村が舞台。実際にヌースフィヨルドにいたら……と想像が膨らむ。
ゲームとはいえ、実際に開拓によって栄えた村が舞台。実際にヌースフィヨルドにいたら……と想像が膨らむ。
「ボードゲームは、世界観にこだわっているものが多いからこそ、バックボーンを知ってからやったほうが、ゲームの世界に集中できて面白いんです」と、いけださん。
「ボードゲームは、世界観にこだわっているものが多いからこそ、バックボーンを知ってからやったほうが、ゲームの世界に集中できて面白いんです」と、いけださん。

プレイして感じた魅力は、村を発展させていくにつれて、自分が権力者になったような気分を味わえること。頭を使う楽しさがあり、時間を忘れてゲームに没頭したくなる。

小さい子どもでも楽しめる! 場がにぎやかになる『GO SLOW!』

小さな子どもと楽しみたい方、複雑なゲームは苦手な方におすすめなのが、北欧の子どもたちのあいだでも人気があるリストニア発の『GO SLOW!』。プレーヤーがカタツムリになって前に進むシンプルなゲームだが、「最後にたどり着いた人が勝ち!」というスローな設定がユニークだ。

いけだ:いちばん後ろにいるカタツムリが強制的に前にいるカタツムリを押し進めるカードもあり、なかなか戦略どおりにいかないところもおもしろいポイント。1ゲームにそこまで時間が掛からないので、気晴らしに楽しめますよね。

『GO SLOW!』のパッケージ。ポップな色味とカタツムリの表情がかわいらしい
『GO SLOW!』のパッケージ。ポップな色味とカタツムリの表情がかわいらしい
野菜などが描かれたカードを引いていき、出た野菜と同じ野菜が描かれている場所にカタツムリのコマを進めていく。
野菜などが描かれたカードを引いていき、出た野菜と同じ野菜が描かれている場所にカタツムリのコマを進めていく。
カードを引いて、コマを動かして……と進めていき、脱落していくカタツムリを最後まで見届けた一匹が勝利となる。
カードを引いて、コマを動かして……と進めていき、脱落していくカタツムリを最後まで見届けた一匹が勝利となる。

マスを飛び越えるカードや、眠ってひと休みするカードなどもあり、最後のほうは不思議と必ず混戦状態に。子どもも大人も、盛り上がること間違いなし!

自分好みのボードゲームを見つけるには? 初心者におすすめの選び方

今回は4つの北欧にまつわるボードゲームを紹介してもらった。北欧の文化や歴史まで垣間見えて、それぞれに面白いポイントがいくつもあった。ただ、人によってはゲームごとに好き嫌いが分かれるかもしれない。数多くあるボードゲームのなかから、自分好みのゲームをセレクトするにはどうすれば良いのだろうか。

いけだ:好みのゲームの「メカニクス」を知ることから始めるのが良いかもしれません。メカニクスとは、いわばゲームのシステムや仕組みのジャンル分けのこと。

たとえば、最初に紹介した『エルフィンランド』のように、マップ上にコマを配置していき、エリアごとの影響力を競うのは「エリアマジョリティ」というジャンル。『ヌースフィヨルド』のように、労働者を配置して利益を得ながら発展させていく戦略的なゲームの種類は、「ワーカープレイスメント」といいます。このようにボードゲームにはさまざまなジャンルがあります。一度やったことのあるボードゲームで、面白いと感じた種類のものを掘り下げていくのはおすすめですね。

とはいえ、そもそもボードゲーム初心者は、最初にどんなゲームを選んだら良いかもわからないはず。そんな人に向けてのアドバイスを最後にうかがった。

いけだ:とりあえず、口コミサイトで気になるゲームをチェックしつつ、ボードゲームカフェで実際にやってみるのが良いと思います。さまざまなボードゲームを体験していくうちに、どんなタイプのメカニクスが好きかわかってくるので。

その際、友だちを連れて行っても良いですし、一人で行って初対面の人と一緒にやるのも楽しいですよ。ぼくもボードゲームカフェによく行くのですが、そこでできたボードゲーム仲間もいます。もしご一緒する機会があれば、北欧発のボードゲームをやりましょう(笑)。

いけだてつや
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プロフィール

いけだてつや

お笑い芸人。1982年11月20日生まれ、熊本出身。スクールJCA10期生。テレビ番組『アメトーーク!』やライブ『高校野球大好き!!ナイト』などで高校野球大好き芸人として出演のほか、ボードゲーム大好き芸人としてもイベントなど活動の場を広げている。

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