加賀美健ととんだ林蘭による創作企画。2人に学ぶ「ひらめき方」

加賀美健ととんだ林蘭による創作企画。2人に学ぶ「ひらめき方」

インタビュー・テキスト
松井友里
撮影:相澤有紀 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

それぞれの作品を解説。2人が描く「ペット」

―それぞれ作ったものを解説していただいてもいいですか?

とんだ林:ハムスターを飼っているので、ペットといえばハムスターだなと思って、つがいのハムスターにしました。

とんだ林蘭の作品『近未来』。
とんだ林蘭の作品『近未来』。

加賀美:トイレもちゃんと2つあるね。

とんだ林:ちょっと格が高いリッチな生活をしているハムスターをイメージしました。ハムスターって共食いしちゃうから、実際には多頭飼いできないんですよ。だからつがいで飼えたらいいのになという理想も込めています。ハエも便器も、加賀美さんのスタジオにたくさんありましたよね。このラーメンは何かの付録ですか?

加賀美:これはガチャガチャ。ネジを回すと箸が動くの。たんちゃん(加賀美さんの娘さん)が、ガチャガチャが好きだから、歩いていて見つけると、絶対チェックする。最近のガチャガチャってすごいよね。

とんだ林:へええ。

―加賀美さんの作品も解説をお願いします。

加賀美:おたまじゃくしです。子どもの頃、おたまじゃくしをたくさん採ってきて水槽に入れて外に置いておいたら、陽に当たったおたまじゃくしが全部溶けてしまったことがあって。水槽の中が真っ黒な水になって悲しかったんですよ。これは靴下の中にタオルを入れて、紐を付ければ完成です。

加賀美健の作品『くろちゃん』。
加賀美健の作品『くろちゃん』。
加賀美健の作品『くろちゃん』。

とんだ林:誰でも真似して作れるのがいいですね。

加賀美:そう、ひもと靴下があれば作れる。あえて目玉をつけずに、これくらい気持ち悪い感じの方がいいんじゃないかな。

とんだ林:この靴下は加賀美さんが履いていたものですか?

加賀美:そう。パンツとかも何かに使えるかなと思ってとってある。

―そういえばスタジオの壁にもビリビリに破かれたトランクスが貼ってありましたね。

ビリビリのトランクス(撮影:加賀美健)
ビリビリのトランクス(撮影:加賀美健)

加賀美:あれは犬に噛まれたっていう体なの。

とんだ林:(笑)。

―お互いが作ったものについてはどういう感想を持ちましたか?

とんだ林:やっぱりさすがだなって。

加賀美:とんださんもだよ。ゲーテの本を持ってきたときは「きた!」と思った。

とんだ林:この本、読んだんですか?

加賀美:買ったまましまい込んでいたから、読んでないね。だから最初、とんださんが持ってきた本かと思った(笑)。

とんだ林の作品の背景に置かれた『ゲーテ格言集』
とんだ林の作品の背景に置かれた『ゲーテ格言集』

メルカリで購入したかっぱやトム・クルーズの似顔絵など、コレクションの一部を紹介

―スタジオいっぱいのコレクションがとにかく圧巻でした。

加賀美:とりあえず買っておけば何かに使えますから。基本的に、高いものは買わないんだけどね。安物買いの銭失いです。

大きな腕時計や人形などが並ぶ一角
大きな腕時計や人形などが並ぶコーナー
メルカリで購入したドローイング
メルカリで購入したドローイング
メルカリで購入した、トム・クルーズの似顔絵など
メルカリで購入した、トム・クルーズの似顔絵など

とんだ林:スタジオにある中で一番高かったものは何ですか?

加賀美:でかいひょっとこは3万円ぐらいしたかな。

加賀美健

とんだ林:手作りのかっぱのオブジェはいくらぐらいしたんですか?

―あの人形は、加賀美さんにかっぱブームが訪れていた際に、メルカリで「かっぱ」と検索して見つけたということでしたね。

加賀美:あれは2~3,000円だったかな? メルカリって、高い値段をつけて売っているものは大体面白くないんだよね。

メルカリで購入した、カッパのオブジェ(撮影:加賀美健)
メルカリで購入した、カッパのオブジェ(撮影:加賀美健)

加賀美:とんださんも財布の紐は固くない方でしょう?

とんだ林:次にいつ出会えるかわからないものは、とりあえず買っておくことが多いです。食品サンプルが好きでよく買うんですけど、結構高くて。2万円ぐらいする、ずっしりした大きなチーズの食品サンプルを買ったことがあります。

とんだ林が購入したチーズの食品サンプル

加賀美:とんださんみたいに、ハイブランドのものと食品サンプルを両方買う人って、なかなかいないだろうね。

とんだ林:最近はもう家に置ききれないから、どうしようかなと思っていて。しまっておくと出すのが面倒になって忘れちゃうんですよね。でも、今日加賀美さんのスタジオを見て、ものを集めるのはやっぱりいいなと思いました。

加賀美:あの部屋が借りられなくなったら大変だよ。全部捨てるしかない。

とんだ林:メルカリに出すしかないですね。

―永久にメルカリで循環していく(笑)。

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プロフィール

加賀美健(かがみ けん)

現代美術作家。1974年東京都生まれ。東京を拠点に制作活動を行う。国内外の数々の個展・グループ展に参加。ドローイング、スカルプチャー、パフォーマンスまで表現形態は幅広い。アパレルブランドとのコラボレーションも多数手掛ける他、自身の「STRANGE STORE(ストレンジストア)」を構え、店内では自身のコレクションや若手アーティストの展示なども行っている。

とんだ林蘭(とんだばやし らん)

1987年生まれ、東京を拠点に活動。コラージュ、イラスト、ぺインティング、立体、映像など、幅広い手法を用いて作品を制作する。猟奇的でいて可愛らしく、刺激的な表現を得意とし、名付け親である池田貴史(レキシ)をはじめ、幅広い世代の様々な分野から支持を得ている。

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