子どもの質問、どう答える?天文学者・本間希樹×てぃ先生が語る

子どもの質問、どう答える?天文学者・本間希樹×てぃ先生が語る

インタビュー・テキスト・編集
飯嶋藍子
撮影:前田立

最近ハッとさせられたのは、小学1年生の子からの「時間はどうして進むんですか?」という質問。(本間)

てぃ先生:話が飛んじゃってすみません。こういう質問に答えることを、『子ども科学電話相談』でもやっているんですよね?

本間:そうです、そうです。子どもがこういう質問をもっと素朴に聞いてくる。宇宙の始まりはなんだったか、宇宙の始まる前はどうなっていたかって質問はよくありますね。

本間希樹

てぃ先生:大人でも気になりますもんね。

本間:ね、でも僕も答えられないんですよ(笑)。

―子どもから寄せられたそんな質問のなかで、本間先生が特に印象に残っているものはありますか?

本間:たっくさんあります。毎回、目からウロコが出るような質問ばかり。科学的に言うと、常識というのはある意味、「偏見」なんですけど、子どもは常識にとらわれないぶん、とっても鋭い質問をしてくれます。最近ハッとさせられたのは、小学1年生の子からの「時間はどうして進むんですか?」という質問です。

これは、この宇宙の成り立ちと非常に密接に関係しているはずなんです。時間ってなんなんだ、時間ってどうして進むのか、時間ってどうして巻き戻せないのか……みなさんも一度は考えますよね。そういう質問が素直に出てくること自体、本当にすごいなと思います。だって、普段、そんなこと考えもしないですよね。当たり前だと思ってしまうし、科学的にも答えられないですから。

子どもの質問に全部答えていくのは限界があるから、「あとで一緒に調べてみよう」でもいい。(てぃ先生)

―てぃ先生も保育士として子どもたちと触れ合っていると、どうやって答えたらいいのかわからない質問をされることってありますか?

てぃ先生:ありますね。できるかぎりお子さんたちの「なんで?」っていう疑問に答えてあげると、「もっといろんなことを知りたい」「もっとほかのことも知っていきたい」とお子さんの知識欲が高まっていくんですよ。親御さんもそういう質問をされると思うんですけど、わからないことはスマホに頼ってもいいですし、調べて答えてあげるのがいいかなと思います。

ただ、親御さんたちの場合、仕事もして、家事もしてっていうなかで、質問に全部答えていくのは限界があると思うので、わからないものは「わからないからあとで一緒に調べてみよう」ってかたちでもいいですね。

てぃ先生

―すぐ答えられなくても、疑問をそのままにしておかないというか。

てぃ先生:そうです。「わかんないよ、おしまい」だとすごくもったいない。あとでちゃんとそれを知ることができるという約束をしてあげるといいですね。親御さんのことを悪く言うつもりはないのですが、「うちの子は、ものを学ぼうとか、いろんなことを知ろうという気持ちがない」ってお父さんお母さんたちの話を聞いていると、「なんで? なんで?」と聞いてくる質問期(一般的に2~4歳)に、「わからない」で終わらせてしまったということが多い印象があります。

左から:本間希樹、てぃ先生

本間:うちの親もあんまりあれしろ、これしろ、と言わないタイプでしたが、僕がなにかやりたいと言った時にはそれを後押ししてくれました。小学生の時に図鑑とか天体写真を見ておもしろそうだなと思って、天体望遠鏡をねだったんですよ。

大して高いものじゃなかったんですけどね、ちゃんと買ってくれました。そこで「買わない」と言われていたら、僕も興味を失って違う道に行っていたかもしれないです。天文少年っていうほどハマっていたかっていうとそうではないんですけど、最終的にこの職業に就いたのは子どもの頃の「好き」が明らかに影響しているなと思います。

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番組情報

NHKラジオ第一放送『子ども科学電話相談』

毎週日曜10:05~

プロフィール

本間希樹(ほんま まれき)

国立天文台教授・水沢VLBI観測所所長。1971年、テキサス州生まれ、横浜育ち。東京大学大学院理学系研究科天文学専攻博士課程修了。超高分解能電波観測による銀河系天文学、特に銀河系の構造研究と、巨大ブラックホールの研究を行っている。巨大ブラックホールに関するEHTプロジェクトに日本チームの責任者として参加。2019年4月には同プロジェクトチームによってブラックホールの撮影に成功した。

てぃ先生(てぃせんせい)

保育士。子どもの日常をつぶやいたTwitterが人気。著書に『ほぉ…、ここがちきゅうのほいくえんか。』(KKベストセラーズ)、Twitter原作のマンガ『てぃ先生』(KADOKAWA/メディアファクトリー)、『きょう、ほいくえんでね…!!』(マガジンハウス)など。
現在は保育士の専門性を生かし、子育ての楽しさや子どもへの向き合い方などをメディアなどで発信。全国での講演活動も年間50本以上。他園で保育内容へのアドバイスを行う「顧問保育士」の創設と就任など、保育士の活躍分野を広げる取り組みにも積極的に参加している。

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