11歳のタトゥーアーティストNOKOと父親GAKKINのオランダ生活

11歳のタトゥーアーティストNOKOと父親GAKKINのオランダ生活

インタビュー・テキスト・編集
飯嶋藍子
写真提供:GAKKIN
2020/06/02
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世界的なタトゥーアーティスト・GAKKIN。生物のようなうねりある文様を体全体に刻む彼のタトゥーを求め、世界中から人々が訪れる。高校時代に友達にたのまれてタトゥーを入れたことがきっかけで、本格的にその世界に足を踏み入れた彼は、4年前に地元関西からオランダに活動拠点を移した。

オランダでは11歳の娘・NOKOもタトゥーアーティストとして活動をスタートさせ、大きな注目を集めている。生活の場をガラッと変えたことで、ふたりにどんな影響があったのだろうか?

GAKKINとNOKO、ふたりにオランダでの生活や、オランダと日本の仕事への向き合い方の違い、そして父から見る娘の環境や子育てについて語ってもらった。

※2020年2月下旬にオンラインでの取材を実施しました。

家族と過ごす時間は確実に多くなりました。引っ越してきてよかったと思う理由のひとつです。(GAKKIN)

―日本で活動している当時から、GAKKINさんにタトゥーを入れてもらうために多くのお客さんが世界各国から来日していたそうですが、その状況で、なぜオランダに移住することになったのでしょう?

GAKKIN:そもそも20代は大阪にいて、結婚して、30代からは京都で活動していたんですけど、やっぱり大きかったのは2011年の東日本大震災。当時NOKOが2歳で、いろんな情報が交錯していたので「危ないのかな」とか考えたりもして。それくらいから海外に住もうかって奥さんと話すようになって、いろんな話が重なって4年前にオランダに越してきました。

NOKO:外国に住むって言われて、最初は英語もオランダ語も全然知らんかったから、覚えるのが難しかった。でも、友達がいっぱい話しかけてくれて、NOKOもどんどん覚えてきて。

NOKO。現在11歳。タトゥーアーティストとして活動している
NOKO。現在11歳。タトゥーアーティストとして活動している

―GAKKINさんはNOKOさんが育つ環境や、オランダの子育て事情にどんな印象を受けていますか?

GAKKIN:日本だったら、お母さんがメインで子育てをして、お父さんは仕事に行くっていうかたちが多いじゃないですか。でも、オランダの人たちは、家族が平等に子供との時間を持って、子育てに参加している感じがします。

―GAKKINさんも日本にいるときは、いわゆる従来の日本的な子育てをしていたのでしょうか?

GAKKIN:そういう期間が長かったですね。日本にいたときはタトゥーショップに勤めていて、朝から夜まで結構長い時間働いていたんです。だから、やっぱり子供の寝てる顔しか見られない日が多くて。

―日本のお父さんはまだまだそういう方が多いですよね。

GAKKIN:オランダで僕のまわりを見る限り、朝9時から夕方5時まで働いて、そこから残業して遅く帰る、みたいなお父さんは少ないです。僕も学校の送り迎えなんかをしていますし、まわりを見ても1/3くらいはお父さんが子供を迎えに来ていたり、父親がしっかり役目を果たしている印象ですね。

GAKKIN
GAKKIN

―GAKKINさんも子供と過ごす時間が増えましたか?

GAKKIN:そうですね。夜ご飯を一緒に食べる時間もありますし、仕事をする日数自体が週に3、4日だったり、ホリデーも長期間ありますし、家族と過ごす時間は確実に多くなりました。こっちに引っ越してきてよかったと思う理由のひとつです。これに関してはいい変化でしかないですね。

NOKO:うん、父さんと過ごす時間、増えた。

もっとちっちゃいときは、タトゥーって絵描くのとおんなじやとずっと思ってて。(NOKO)

―NOKOさんも現在はタトゥーアーティストとして活動されていますよね。タトゥーの技術はお父さんから教わっているんですか?

NOKO:うん。

GAKKIN:ちょっと親バカかもしれないですけど(笑)、3歳くらいから、すごく上手に絵を描いていたので、僕と奥さんで「タトゥーをやってみたら?」って勧めたんです。NOKOが6歳くらいのときに、「ちょっと足にやってや」って、ずっと飼っている文鳥のコマジロウのタトゥーを彫ってもらったのが最初。家族にとってタトゥーがすごく身近にあるので、「これを勧めるんだ!」って強く思ったわけではないんですよ(笑)。

NOKOとコマジロウ

NOKOのイラスト
NOKOのイラスト

―子供だから、といった制限なく、本当に自然な流れで勧められたんですね。NOKOさんは初めてタトゥーをやってみてどう感じましたか?

NOKO:難しかった。マシンも重いし、紙に描くのと肌に描くのも全然違うから。でも楽しかったから、またやってみたいなって思いました。もっとちっちゃいときは、父さん見て、タトゥーって絵描くのとおんなじやとずっと思ってて。

だから、楽で簡単でおもしろい仕事やなと思ってたけど、父さんはめっちゃ大変な仕事やってるんやなと思った。NOKOは小さい絵で疲れるのに、父さんはデカい絵を毎日何時間もやっていてすごいと思う。

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サイト情報

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GAKKIN Instagram
NOKO Instagram

プロフィール

GAKKIN

タトゥーアーティスト。地元関西を拠点に活動し、4年前に家族でアムステルダムに移住。日本にいた当時から、世界中からクライアントがGAKKINのもとを訪れている。「ロンドンタトゥーコンベンション2019」で1位を獲得。

NOKO

タトゥーアーティスト。11歳。アムステルダムの小学校に通いながら、毎週土曜日に1人だけお客さんをとっている。動物が大好き。

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