昆虫食メーカー×料理研究家と考える「明日から楽しむ昆虫食」

昆虫食メーカー×料理研究家と考える「明日から楽しむ昆虫食」

インタビュー・テキスト
大北栄人
撮影:鈴木渉 編集:石澤萌、矢澤拓(CINRA.NET編集部)
2020/03/24
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料理研究家が作る、昆虫食レシピ。1品目はおしゃれなポテトガレット(コオロギ入り)

今回は食材として、京野菜を食べて育ったというコオロギの煮干しとフタホシコオロギのパウダー、そしてタガメのサイダーをいただく。事前に試してレシピを考えてきた、料理研究家の榎本美沙さんが手際よくコオロギを調理していく。

―コオロギって食材としてどうでした?

榎本:思ったよりも使いやすそうだなって思ったんです。うまみがちゃんとあったんで他の食材と相性よさそうだなって。今回はドライトマトのグルタミン酸と合わせました。コオロギの煮干し自体はサクサク感があるからサクサクした料理に使えそうです。

榎本美沙<br>料理家、発酵マイスター。広告会社勤務の傍ら、夫婦で一緒に料理を作るレシピ紹介サイト「ふたりごはん」を開設。その後、調理師学校を卒業し独立。「発酵食品、旬の野菜」を使ったレシピ開発が人気。雑誌や書籍、WEBへのレシピ提供、企業のレシピ開発、料理教室、イベント出演などを行う。著書『野菜のべんり漬け』(主婦の友社)が発売中。
榎本美沙
料理家、発酵マイスター。広告会社勤務の傍ら、夫婦で一緒に料理を作るレシピ紹介サイト「ふたりごはん」を開設。その後、調理師学校を卒業し独立。「発酵食品、旬の野菜」を使ったレシピ開発が人気。雑誌や書籍、WEBへのレシピ提供、企業のレシピ開発、料理教室、イベント出演などを行う。著書『野菜のべんり漬け』(主婦の友社)が発売中。

そして榎本さんが作ってくれるのはポテトのガレット。コオロギの煮干し入りの。いや、こうやってオチみたいにあとだしで書くのはいけない。頭ではわかっていてもまだ体は虫のことをおもしろがっているのだろう。

榎本:他の食材でいうとエビに近いかな? 桜海老っぽいのできるなって思ってやりました。桜海老みたいに揚げ焼きにして。

三浦:虫の外皮がエビっぽいんですよ。エビの殻とコオロギの殻と成分が似てたり甲殻類っぽい風味出したりもするので。エビの足って食べないじゃないですか。あれを食べるような感覚ですね。一方、幼虫系の食材は成虫になる前の栄養をためてることが多いので、クリーミーで脂質が多かったりします。

そしてガレットが出来上がった。わわ、うまそう。見た目100点だ。食器やテーブルに雰囲気があるのもいい。虫食におけるこうした環境面での底上げは大事なのかもしれない。心のハードルを下げてくれる。

今回の企画のためにレシピ開発された、コオロギの煮干し入りポテトガレット。かなりおいしそうだ
今回の企画のためにレシピ開発された、コオロギの煮干し入りポテトガレット。かなりおいしそうだ
よく見るとコオロギが、いる
よく見るとコオロギが、いる

カメラマンの鈴木さんが写真を撮りながら「……うまそう」とぼそっと呟いた。わかる。抵抗感はいつのまにかなくなっている。でももしかしたらこれは、おいしそうにコオロギのことを話すこの場の雰囲気に流されているのかも。ひょっとすると私は今、タヌキに化かされて馬糞を食わされる民話のようなことになってるのかもしれない。

「おっ、ここにいた」という声が上がる。ポテトの下からコオロギが出てきたようだ。ここでやはり虫であることを妙に実感した。虫は石の裏とか物陰から出てくるのが似合うな。

ガレットからは揚がったポテトのいい香りがする。食べてみる。ザクザクのじゃがいもの食感の中にひときわカリッ、ガリッ、としたものがあたる。噛んでいくとホロッととうもろこしのような香りが出てくる。わ、うまい。うわー、うまい! すごい、虫が今、うまい。うまくなってる虫もレシピもすごいが、自分の感覚が変わるのがとてもおもしろい。

思わず笑顔がほころぶ筆者
思わず笑顔がほころぶ筆者

三浦:コオロギはポップコーンのような香りともいいますね。そのままだと若干くさみがあるけど、油で揚げるとカリッとしておいしいです。

いや、ほんとそうだ。ポテトだけを食べたが、このガレットはコオロギ入りの方がおいしい。これほどまでに「普通においしい」という言葉がしっくりきたことはない。何の躊躇もなくおいしい。

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店舗情報

TAKEO

営業時間:13:00~18:00
定休日:土曜日
住所:東京都台東区松が谷1-6-10

プロフィール

三浦みち子(みうら みちこ)

TAKEO実店舗店長。2017年ひょんなことからTAKEOと昆虫食の魅力に出会い入社。2018年4月からは昆虫食を専門とした実店舗の運営責任者に。TAKEOでは実店舗店長の他にも昆虫料理レシピ開発や商品パッケージデザインを担当。店舗やSNSを通じて、ゆるりと昆虫食の楽しさ、おいしさを発信中。

榎本美沙(えのもと みさ)

広告会社勤務の傍ら、夫婦で一緒に料理を作るレシピ紹介サイト「ふたりごはん」を開設。その後、調理師学校を卒業し独立。「発酵食品、旬の野菜」を使ったレシピ開発が人気。雑誌や書籍、WEBへのレシピ提供、企業のレシピ開発、料理教室、イベント出演などを行う。著書『野菜のべんり漬け』(主婦の友社)発売中。

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