なぜ人はカラオケに惹かれる? 世界の状況から愛され具合を探る

なぜ人はカラオケに惹かれる? 世界の状況から愛され具合を探る

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大石始
編集:石澤萌(CINRA.NET編集部)

カラオケ世界大会『KWC』をレポ。神田明神に響く“We Are The World”

カラオケの歴史や世界の状況を確かめたところで、今回の『KWC』に話を戻そう。11月29日に行われた決勝大会には、欧米やアジアだけでなく、南アフリカや南米のブラジルやパナマ、さらにはデンマークの自治領であるフェロー諸島など、各地の代表が集結した。

会場に足を踏み入れてまず驚かされたのは、出場者の歌唱力の高さだ。この日は各代表がソロ部門・デュエット部門に分かれて歌声を競い合ったが、出場者の実力はいずれもプロ・レベル。各国の応援チームが国旗を振って声援を送る光景はカラオケの世界大会ならではだが、都内の中型ホールに引けを取らない神田明神ホールの音響・照明もあって、プロフェッショナルなシンガーが揃う音楽フェスにやってきたような感覚に陥った。

ただし、審査の対象となるのは歌唱力など技術面だけではない。出場者がその場を楽しみ、パフォーマンスを通じてそのことを表現しているかという、立ち振る舞いも含めたパフォーマンス面も審査対象となる。通常のコンテストとは違い、舞台上にも会場内にも平和で友好的な空気が流れているのが特徴的だ。出場者のレパートリーはQueenやビヨンセ、マライア・キャリーらによる世界的ヒット曲だけでなく、ドメスティックなものも。モンゴル代表やインド代表が自国の楽曲を歌ったほか、日本代表はSuperflyや久保田利伸を披露した。

ソロ部門の優勝を飾ったのは、ジェニファー・ハドソン“And I Am Telling You I'm Not Going”を圧倒的歌唱力で歌いきったイギリス代表のジェニー・ボール。デュエット部門はドナ・サマー“No More Tears (Enough Is Enough)”で会場を沸かせたカナダ代表のキャンディス・マイルスとケイト・ディオンが優勝を勝ち取った。大会の最後を飾ったのは、出場者全員による“We Are The World”。まさにカラオケ文化の広がりを実感させられるエンディングとなった。

ソロ部門優勝を飾ったイギリス代表のジェニー・ボール

デュエット部門優勝を飾ったカナダ代表のキャンディス・マイルスとケイト・ディオン

最後はこの日の参加者全員で“We Are The world”を熱唱
最後はこの日の参加者全員で“We Are The world”を熱唱

『KWC』日本大会最後には、2020年度の『KWC』がカナダで開催されることが発表された。歌によって人と人を繋いできたカラオケは、分断の進む世界をふたたび繋ぎ合わせるものとなるだろうか? カナダの大舞台を目指し、今宵も各地のカラオケ愛好家たちが練習に励んでいることだろう。

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イベント情報

『KARAOKE WORLD CHAMPIONSHIPS 2019』

日時:2019年11月27日(水)~29日(金)
会場:東京都 神田明神ホール

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