M-1王者・霜降り明星がアップデートする、「第七世代」の定義

M-1王者・霜降り明星がアップデートする、「第七世代」の定義

インタビュー
矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
中田光貴(CINRA.NET編集部)
撮影:鈴木渉 テキスト・編集:中田光貴(CINRA.NET編集部)
2019/12/18
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霜降り明星単体では、お笑いブームは起きないんですよ。(せいや)

―そうは言っても、『だましうち』では「第七世代」という名前をつけることで横の繋がりができて、世代が固まっていけるのではないか、という趣旨の発言をされていて、そこは目論見通りなのでは、と思ってしまうのですが。

粗品:そらそうですよ。目論見通り!

せいや:でも、それはそうじゃないですか。霜降り明星単体では、お笑いブームは起きないんですよ。EXIT、宮下草薙、四千頭身とか「第七世代」って呼ばれてますけど、その人らのおかげで「第七世代」も広まってるし。結局1組じゃ無理なんです。

僕が言ったのは、もっとお笑いを盛り上げるために「第七世代」って勝手に呼び始めたら、若手の起用とか増えるんちゃうかみたいな話で。目論見とか目標じゃなくて、その理論をラジオで言っただけです。だから別に「俺は第七世代について動いていくよ」とか「先輩を倒そう」みたいな動きは一切ない。

―粗品さんは、せいやさんが言った「第七世代」という言葉が広がっていくのを、どう見ていましたか?

粗品:そうですね。僕はリーダーについていくだけなので。

せいや:ちゃうちゃうちゃう!

粗品:でも、なんでしょうね。良くも悪くも大したもんやなと思いますよ。ラジオの発言がこんなことになるなんて、すごいことだなと思います。

粗品(そしな)

本気で言ったら、さんまさんも欽ちゃんさんも全員「第七世代」ですから。(せいや)

―今の「第七世代」のムーブメントを見ると、お笑いをもっと盛り上げないといけないという意識は共有されていたということなのでしょうか?

せいや:それは全員あると思いますよ。だから最近僕は、今のテレビを面白く豊かにしてる人は全員「第七世代」って、言っています。テレビ自体が「第七世代」に突入したって考えてるので、そもそも区切るのが間違っているなと。

―どこまでが第七世代で、ここより上は第六世代だと言うのが間違っていると。

せいや:ほんまに言い出したら、そんな線引きはないんで。「第七世代」とか勝手に言ってたらそういう世代になるんちゃうかって理論で言ったけど、「はい、じゃあ実施!」ってなったら「じゃあどこまでが第七世代?」ってなってきますからね。だからテレビ自体が「第七世代」になったと言うようにしてて。

1953年から始まったテレビ放送、このすごいメディアが2019年になって落ちてきているわけじゃないですか。そこを頑張っている今のテレビが「第七世代」という認識ですね。七世代に渡ってテレビが活躍してきたということです。本気で言ったら、さんまさんも欽ちゃん(萩本欽一)さんも全員「第七世代」ですから。

せいや

犯罪はしないで、仕事をする。今はこの2個しか考えてないですね。(せいや)

―今のお笑いって、お笑いにストイックなだけじゃなくて、霜降り明星みたいにコンビ仲が良かったり、かが屋みたいに見ていて優しい気持ちになるお笑いが多い気がするんです。そう言われてどう思いますか。

せいや:別に仲良いと思ったことはなくて、普通なんですよね。仕事仲間でパートナーだから仲悪くなるほうが損というか。別に2人で遊んだりはしないですし。周りが「お前らほんま仲良いよな」「2人でようしゃべっとるな」って言うんですけど、僕らとしてはこれが普通なんですよ。もともとは友達始まりなんで、それを続けてるって感じですかね。

―他のジャンルの取材でも、今の20代を見ていると、他のグループや外の人とバチバチしている暇があるんだったら、手を組んで盛り上げていったほうがいい世の中になるんじゃないか、っていう意識を持っているんじゃないかと思って。

粗品:その考えはちょっと嫌かもしれないですね。たるんでるというか。それって、面白くないやつとも仲良くしている、ということなんで。別にそんなつもりで僕らはお笑いやっていないですし。

―手を組めるのも、ちゃんと各々の個が立ってるからだとは思います。

せいや:もちろん、認めてるから仲良いだけで。どうしようもないやつは認めないですよ。それはどの時代も一緒なんかなと思いますけどね。昔の人もギスギスしてたけど、実力を認めた人同士は仲良いし。面白い人とだけいたいって、皆思ってると思うんですよね。

―最後に、2018年に『M-1グランプリ』で優勝されて、2019年は目まぐるしいスピードで過ぎていったと思うんですが、振り返ってどんな1年でしたか?

粗品:いやー、楽しい1年でしたね。お笑いもお笑い以外もたくさんさせてもらって、経験したことないことばっかりですごかったですよ。親に自慢できて、親も自慢できるような、とても素敵な1年でした。

せいや:とにかく走りきりましたね。やっぱり『M-1』を取ったからこその1年ってあるじゃないですか。それを一生に1回だけでも味わえて幸せでしたね。ただ、走ってるときって景色は見えないじゃないですか。今年1年は景色をちゃんと楽しめなかったんで、これからはやっと歩いて景色が見えるなって思いますね。

―ゆっくり歩けるようになるこれからは、どんな活動をしていきたいですか?

せいや:まだそこを考えてられてないというか、まだ走り続けてるんで。とりあえず犯罪だけはしないでおこうと。

粗品:あんまそういうこと言わんほうがええよ。

せいや:犯罪はしないで、仕事をする。今はこの2個しか考えてないですね。来年の目標を考える暇もないので、とにかく今年を2人でダッシュし切りたいです。

霜降り明星
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プロフィール

霜降り明星(しもふりみょうじょう)

粗品とせいやによって2013年1月に結成。2017年『第38回ABCお笑いグランプリ』優勝、2018年『第7回ytv漫才新人賞』優勝。同年、『M-1グランプリ』にて史上最年少、史上初の平成生まれで王者に輝く。粗品は2019年に『R-1ぐらんぷり』で優勝、せいやは2018年に『人志松本のすべらない話』でMVSを獲得するなど、それぞれピンでも活躍している。

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