結成10年のミツメが証明。インディ、DIY、マイペースな活動の幸せ

結成10年のミツメが証明。インディ、DIY、マイペースな活動の幸せ

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:垂水佳菜 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
2019/11/20
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レーベルと一緒に組んだら、自分たちが搾取されちゃうんじゃないか、みたいな(笑)。(川辺)

―2ndアルバム『eye』(2012年)を録音したのは、田中さんがエンジニアとして所属するスタジオグリーンバード。バンドの録音環境はここで一気に向上します。駆け出しのインディバンドからすれば、本当に贅沢な環境ですよね。ある意味、その段階でミツメの制作環境はほぼ整ったと言えるのでは?

ミツメ『eye』を聴く(Apple Musicはこちら

大竹:そうですね。強いて言うなら、普段の練習場所とか、いつでもみんなで曲作りに取り組める場所があったらいいな、とは思っていたかな。でも、その当初は川辺の家にみんなで集まってたんですけど、今では倉庫を借りることができたので、そこまで不自由を感じることはなくなりましたね(参考:ミツメの秘密基地に初潜入。組織から離れ、遊ぶように働く生き方)。

川辺:時間を気にすることなく、制作と録音の境目がないような感じでダラダラやれたらいいなー、みたいなことをたまに思うんですけど、今は倉庫を作業場として使えるおかげで、それに近いことがある程度はできるんです。そういう意味では、やりたかったことが実現できてるようにも感じてて。

とはいえ、僕らに当初からなにかしらのビジョンがあったのかというと、別にそういう感じでもないんです。その場その場で頑張ってきたというか。

左から:川辺素、nakayaan
左から:川辺素、nakayaan

―バンドの知名度が上がっていくなかで、レーベルから声がかかることもあったと思うんです。でも、結果的にミツメはこれまでどの組織にも所属しなかった。そこにはなにかしらの強い意思もあったんでしょうか?

川辺:いや、そういうのはなくて。なんていうか、猜疑心も強かったんです。当時はCDがちょうど売れなくなってきてるという話を呪いのように聞かされていた時期でもあって、どこかのレーベルと一緒に組んだら、自分たちが搾取されちゃうんじゃないか、みたいな(笑)。

一方でその頃はSoundCloudとかMyspaceにいろんな可能性がある、みたいな話もあったし、これからは自分たちでハンドリングしていくのがいいんじゃないか、みたいなことは当時みんなで話してました。

須田:たとえば、僕がどこかのレーベルの方とお話していると「バンド的にはどう考えているの?」みたいなことを聞かれたりするんですけど、正直それってどう答えていいのか、わからないんですよね。「バンド的にどう考えてるのか、わかんないな。自分自身も含めて」みたいな(笑)。

具体的に次のアルバムを作ることは考えてるけど、各メンバーがこのバンドからなにを得たいのか、バンドでなにをしたいのかは、多分それぞれで違うところもあるんです。それは組んだ頃からずっとそうだし、このバンド自体がそういうことを決めずにここまできたので。

須田洋次郎
須田洋次郎

―じゃあ、「これからもみんなでこのバンドをやっていこう」みたいな意思確認をしたことって、特にないんですか?

須田:ないかな。そういうことをこれまで一度も明確にしないまま、気づけば10年が経ってたというか(笑)。作品をひとつだしたら、じゃあ次はこれをやってみようよとなって、そうなると僕らは頭がぜんぶそっちにいっちゃうので(笑)。でも、それを繰り返していく中で、すこしずつ手伝ってくれる人や一緒に考えてくれるスタッフが出てきてくれて。そのおかげで僕らのアイデアの幅も広がってきたと感じています。

ミツメ『eye』(2012年)収録“cider cider”

ミツメ『eye』(2012年)収録“煙突”

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リリース情報

ミツメ『Ghosts』
ミツメ
『Ghosts』(CD)

2019年4月3日(水)発売
価格:3,080円(税込)
MITSUME-020 / PECF-1168

1. ディレイ
2. エスパー
3. ゴーストダンス
4. エックス
5. ふたり
6. セダン
7. なめらかな日々
8. クロール
9. タイム
10. ターミナル
11. モーメント

プロフィール

ミツメ
ミツメ

2009年、東京にて結成。4人組のバンド。2019年4月にアルバム「Ghosts」をリリース。国内のほか、インドネシア、中国、台湾、韓国、タイ、アメリカなど海外へもツアーを行い、活動の場を広げています。オーソドックスなバンド編成ながら、各々が担当のパートにとらわれずに自由な楽曲を発表し続けています。そのときの気分でいろいろなことにチャレンジしています。

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