『生理ちゃん』小山健の「頑張らない創作」を支えるサウナの存在

『生理ちゃん』小山健の「頑張らない創作」を支えるサウナの存在

インタビュー・テキスト
村上広大
撮影:寺内暁 編集:石澤萌(CINRA.NET編集部)

サウナと水風呂を行き来しているときの僕の姿は人間として絶対に美しいと思うんですよ。

―個人ごとにこだわりがあるにしろ、それをプロとアマで分けるのは違和感があると。それでいうと、小山さんがサウナを楽しむために個人的に実践されていることはありますか?

小山:普段は水風呂に軽く浸かってからサウナに入るようにしています。そうすると、1週目のサウナからポカポカして気持ちいいです。それと小さな工夫ですけど水風呂に入ってから水をバシャっと顔にかけて、それを拭わずにまつ毛に水を含ませたまま薄目をすると、照明が乱反射してキレイですし、おっさんたちも万華鏡の光のようになって美しいです。

―どのタイミングでその楽しみを見つけたんですか?

小山:銭湯をより楽しむ方法はないかと考えるようになってからだと思います。本音を言えば、交互浴の1周目って少し億劫なところもあって、それで工夫をするようになったというか。ちなみに、自分で言うのもなんですけど、サウナと水風呂を行き来しているときの僕の姿は人間として絶対に美しいと思います。ものすごく野生的というか、本能のままに動いているわけですから。それでいて、マナーもしっかり守っている。

小山健

―焦る気持ちをグッと抑えて行動しているわけですよね。

小山:そうです。目を閉じてきちんと自分の世界を作るのも大切です。そうしないとペースを乱されて、「ととのい椅子」が空いてないかチラチラ見て、まだなにも掴めていないのに水風呂から出て移動しちゃったりしてしまうので。

もちろん常に完璧な状態なわけじゃないですが、それもしょうがないと納得することも大切だと思います。あんまり理想を求めすぎても自分を追い込むだけですし。細かなルールはあんまり設定しないようにしています。

―こうして話を聞いているうちに、小山さんにとってサウナは気持ちを切り替える儀式に近いのかなと思いました。創作に向き合うためのスイッチというか。

小山:創作活動を長く続けるなら、しんどいことはどんどんなくしていった方がいいと思います。辛いことって続かないですから。僕は過去に会社に勤めていたこともあるんですけど、ただただ辛くなってやめちゃいましたし。

―そうやって自分なりの楽しみ方を追求しながら、今後も仕事のためにサウナに通い続けるわけですね。

小山:そうですね。ずーっとサウナに行ってると思います。僕はたとえいい施設でも、帰りの電車のことを考えるとそんなに行きたいと思えないんですが、最近は原付で行ける圏内に湿度高めのサウナと深めの広い水風呂、露天に高濃度炭酸泉と外気浴スペースがあってあんまり混んでない、リニューアルして間もないキレイな銭湯を見つけたので最高です。ずっといます。

―『生理ちゃん』は実写映画も公開されましたし、これまで以上に多くの人に読まれる可能性も高まりそうです。

小山:もちろん、これまで以上に多くの人に読まれることはうれしいです。テーマとしては人種も国も関係ないので、世界でも読まれたらいいなと思っていますし翻訳されたものが実際に出版されています。

『生理ちゃん』の連載が終わったとして、またなにか描くと思いますが、サウナに行けば必ずアイデアが出るし疲れないので、あんまり不安はありません!

小山健

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作品情報

『ツキイチ!生理ちゃん』
『ツキイチ!生理ちゃん』

腹痛、頭痛、眠気、貧血、むくみ。「男はぜんぜん生理のイライラやつらさが分かっていない!」生理痛の原因を擬人化したキャラクターで表現した漫画。第23回・手塚治虫手塚治虫文化賞受賞作。

『生理ちゃん』
『生理ちゃん』

2019年11月8日(金)からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で公開

監督:品田俊介(フジテレビジョン)
脚本:赤松新(よしもとクリエイティブ・エージェンシー)
原作:小山健『生理ちゃん』(KADOKAWA)
音楽:河内結衣
主題歌:the peggies“する”
出演:
二階堂ふみ
伊藤沙莉
松風理咲
須藤蓮
狩野見恭兵
豊嶋花
信太昌之
藤原光博(リットン調査団)
中野公美子
鈴木晋介
広岡由里子
笠松伴助
小柳津林太郎
八木橋聡美
安藤美優
竹村仁志
田宮緑子
飯田愛美
岡田義徳
上映時間:75分
配給:よしもとクリエイティブ・エージェンシー

イベント情報

第2回『電影交差点』

2019年11月19日(火)
会場:東京都 渋谷ヒカリエ MADO
出演:
井樫彩
大橋裕之
小山健
料金:1,000円

施設情報

サウナ&カプセルホテル北欧

住所:〒110-0005東京都台東区上野7-2-16
電話:03-3845-8000

プロフィール

小山健(こやま けん)

東京都在住。会社員時代に趣味でブログに描いていたマンガ「手足をのばしてパタパタする」をきっかけにマンガやイラストを様々なところで執筆。2013年に独立以降、雑誌・書籍・ウェブなどで幅広く活動中。

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