原田知世が見つめる現在 年齢に合った美しさを大切に

原田知世が見つめる現在 年齢に合った美しさを大切に

インタビュー・テキスト
栗本千尋
撮影:タケシタトモヒロ 編集:久野剛士(CINRA.NET編集部)

35年以上のキャリアを振返って感じた、一つひとつの時間を丁寧に過ごすスタンス

―原田さんは10代で女優デビューし、アイドル的な人気を得ます。20代からは、歌手活動にも力を入れていらっしゃる印象ですが、パブリックイメージを更新していく意図もあったのでしょうか。

原田:10代の頃は、周囲のスタッフの方たちが全部レールを敷いて、「次はこれ、その次はこれ、来年の春はこの作品」って決めてくれたレールの上をひたすら走っていました。芝居と歌を同時にはじめることができたので、いま考えると本当に恵まれたデビューだったと思います。

当時は学業と両立することに夢中でしたが、高校を卒業して仕事一本になったときに、「ああ、これからどうしよう」と考えたんですね。「これからは自分でレールを敷いていかなきゃいけないな」と。

原田知世のデビュー曲“時をかける少女”のセルフカバー

原田:10代の頃にしっかりとパブリックイメージを作っていただいた上で、自分は年齢を重ねています。そういう変化に対して、20代の頃は「どうすればいいのかな」って迷うことはありました。いまになって振り返ると、そこまで深く思い悩まなくても大丈夫だったのにって思いますけど(笑)。

原田知世

―思い返すとどうしてあんなに悩んでいたんだろうってこと、ありますよね。

原田:そうですね。年齢を重ねて変わらない部分もあるだろうし、変わる部分ももちろんあるでしょうけれど、深く悩まずに自然の流れに身を任せるのが一番いいのかなっていまは思っています。年齢ごとの美しさや魅力ってあると思うので、そっちに目を向けるのはすごく大事なんです。

お仕事でもプライベートでもそうですが、そのときにしかできないことって、きっとあるから。「いま」を大事にして日々を重ねるのが一番大切なんだと思います。

原田知世

―柔らかい雰囲気の中に芯があるのが、原田さんの変わらないところなのかなと思いました。

原田:あまり器用にいろいろなことをできるタイプではないので、「これ!」と自分が思ったものに丁寧に向き合うようにしてきました。

仕事量自体はそれほど多くはないと思いますが、一つひとつをすごく大切に、濃い時間を過ごせてきたと思っています。そうして作った作品や仕事を誰かがちゃんと見てくれていて、またそれが数年後に繋がっていって、次の新しい仕事に出会えたりする。あんまり詰め込みすぎず、自分ができる範囲で丁寧にやるということを心がけています。そこは変わらないですね。

狭くても、長く深く。人間関係も「濃さ」を大切にする

―原田さんというと、魅力的な人に囲まれている印象を持っている人も多いと思うんですけど、出会いとか関係で大切にされていることってありますか? 仕事に限らず、友人関係でも。

原田:人と長く深く付き合いたいと思っているので、交友関係があまり広いほうではないんです。もちろん仕事柄、たくさんの人と会ってコミュニケーションをとりますけど、プライベートで仲のいい人は限られていて、何十年も一緒に歳を重ねてきてる方が多いです。

プライベートで年に2、3回しか会わないけど、昨日までずっと会っていたみたいに、朝まで話せるような友達。お互い違う仕事をしていて、距離も離れているんだけど気持ちは近くて。「どうしてるかな?」って、お互いに思いあえるような人がいるだけで頑張れますよね。

原田知世

―原田さんが心惹かれる人たちに共通するものってありますか?

原田:素朴で明るい人が多いかもしれない。一緒にいてホッとする人が好きですね。

―その特徴って、そのまま原田さんに当てはまっているようですね。

原田:仕事では刺激をもらうような素敵な人にたくさん会うので、プライベートではもっと気を抜ける人を求めているのかもしれません。

―ときに人間関係は難しさを感じることもあると思いますが、原田さんにもそういう経験はあるのでしょうか。

原田:私はとても緊張しやすいので、一度に大勢の人に会うと、いっぱいいっぱいになってしまうところがあります。

今年放送されたドラマ『あなたの番です』(日本テレビ / 4月~9月に放送された)も出演者がとても多くて。クランクイン直後に住民会のシーンを撮影したときは、初めてお仕事する役者さんばっかりだったから本当に緊張で逃げたかったんですよ(笑)。でも、あとから聞くとみなさん同じように緊張していたみたいで。実際にやってみると「取り越し苦労だった」ということがすごく多いですね。

原田知世

―緊張しやすいのは、何歳くらいまでがピークでしたか?

原田:ずっとですよ(笑)。何年やっても慣れないです、この仕事は。新しい仕事に入る前は、本当に悪夢にうなされたりします。

―え! 原田さんくらいキャリアがある方でもそうなんですね。

原田:プレッシャーなんでしょうね……。撮影がはじまるのに全然セリフを覚えてないとか、ライブ前だと歌詞を覚えてないとか、そういう悪夢を見ることが、「そろそろはじまる時期」っていう合図になっています。「失敗しちゃいけない」「迷惑をかけちゃいけない」って考えすぎちゃうと、悪循環になってしまうんですよね。

―どう切り替えられるんですか?

原田:いざ現場に入って芝居をやってみるとペースがつかめてくるんですけどね。私の場合は音楽をやっていて、また芝居に戻る、という感じなので、ドラマの撮影と撮影の間に期間がかなり空くこともあって。役者さんって割と切れ目なく撮影してらっしゃるのでリズムができていると思うのですが、私はそれを取り戻すのにちょっとだけ時間が必要なんです。

原田知世
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リリース情報

原田知世
『Candle Lights』(CD)

2019年10月16日(水)発売
価格:3,300円(税込)
UCCJ-2171

1. Love Me Tender - Haruomi Hosono Rework
2. 冬のこもりうた
3. ソバカス
4. 2月の雲 - Hiroshi Takano Rework
5. 夏に恋する女たち
6. イフ・ユー・ウェント・アウェイ
7. ハーモニー
8. 銀河絵日記 - Goro Ito Rework
9. いちょう並木のセレナーデ
10. ベイビー・アイム・ア・フール
11. SWEET MEMORIES
12. 夢のゆりかご

イベント情報

原田知世『L'Heure Bleue』リリース・ツアー2019

2019年11月17日(日)
会場:大阪府 東大阪市文化創造館 Dream House 大ホール

2019年11月19日(火)
会場:東京都 渋谷 Bunkamura オーチャードホール

プロフィール

原田知世(はらだ ともよ)

長崎県出身。自ら主題歌を歌った1983年の初主演作『時をかける少女』でスクリーンデビューし、多数の映画賞の新人賞を受賞。以降、女優、歌手の両方で活躍する。2019 年は日本テレビ系日曜ドラマ『あなたの番です』で田中圭とW主演を務めた。そのほか、ドキュメンタリー番組等のナレーションを担当するなど幅広く活動している。

関連チケット情報

2020年9月26日(土)
大貫妙子
会場:新宿文化センター 大ホール(東京都)

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