Salyu×原田郁子はサウナ友達 いい歌の為に機嫌のいい時間を作る

Salyu×原田郁子はサウナ友達 いい歌の為に機嫌のいい時間を作る

インタビュー・テキスト
大智由実子
撮影:前田立 編集:久野剛士(CINRA.NET編集部)

なにがボーカリストとして歌うことの栄養になっているかと言えば、「機嫌のいい時間」だと思うんですよね。

—プレーヤーであると同時に、1人のリスナーでもある2人にとって、音楽と接する時間は「緊張感のある戦闘モード」の時間ですか? それとも好きなことに没頭するという意味での癒しなのでしょうか?

Salyu:それは両方ですね。リラックスしてくつろいだ状態で音楽を聴いたとしてもやっぱり自分なりに「その音楽になにがあるのか」というディテールを感じ取ろうとすることはあります。

表現するときも聴くときも「共感すること」に一番癒されますね。人に共感することで救われるし、それが喜びだと思います。

原田:ライブのときって、どうしても「間違っちゃうんじゃないか」と不安になったり恐怖を感じることもあって追い込まれていくんです。でも、それと同時に音楽の中でこそ解放されたり自由な感覚になったりすることもあるんですよね。

私はその解放感というのが音楽のすごいところだな、と思っていて。そこにちょっとでも近づいていきたいと思っています。そしていいライブ、いいパフォーマンスをするためにも、身体をちゃんとケアしなくちゃいけない。気持ちとか気合いだけでいける年齢でもないですから(笑)。ひとりだとついそこを忘れがちになっちゃうんですけど、Salyuに会うとそのことを思い出しますね。

原田郁子

—音楽を表現するには身体のケアっていうのも大事なんですね。

原田:Salyuは特にボーカリストとして身体ひとつでステージに立っているから、身体が楽器だよね。私もガクッとしんどくなったり波があるけれど、身体と心の状態って密接だな、と思います。

Salyu:「健康」って言うと「なんか色気がないなー」って思っちゃうんですけど、なにがボーカリストとして歌うことの栄養になっているかと言ったら、私は「機嫌のいい時間」っていうのが大事だと思うんですよね。さっき郁ちゃんが言っていた「好きなことに向かう時間」っていうのは、私にとっては心地よくて安心できてひとりになれるという意味でもサウナなんですね。

原田:うん。ボケーッとひとりで浸っていられる時間って、必要だね。

左から:原田郁子、Salyu

Salyu:でもネガティブな意味での「ひとりぼっち」っていうんじゃなくて、自分の身体の中にこんな世界があったんだ! っていう新しい世界との出会いがあるよね。そういう自分の内側、感性や感覚を改めて見つめる時間っていうものに、栄養をもらっていますね。

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プロフィール

Salyu(さりゅう)

1980年生まれ、神奈川県出身。岩井俊二の映画『リリイ・シュシュのすべて』でデビュー。作中に登場する架空のシンガーソングライター「Lily Chou-Chou」としての活動を行う。ヒップホップMCである「ILMARI」とのコラボレーションなどを経て、2004年にはソロデビューを果たす。2011年7月13日に両A面シングル「青空/magic」をリリース。さらに8月10日、作曲・小山田圭吾、作詞・坂本慎太郎(ex.ゆらゆら国)が手掛けた
“INFOBAR A01”のCMイメージソングとしての書き下ろし曲「話したいあなたと」をsalyu×salyuの新曲として配信限定でリリース。

原田郁子(はらだ いくこ)

1975年、福岡生まれ。1995年にスリーピースバンド「クラムボン」を結成。歌と鍵盤を担当。バンド活動と並行して、ソロ活動も精力的に行っており、これまでに4枚のソロアルバムを発表。2010年には、吉祥寺の多目的スペース&カフェ『キチム』の立ち上げに携わる。近年は、クラムボンが自身のレーベル「トロピカル」より3枚のミニアルバムを発表し、独自の販売方法を試み、ジャンル問わずの約300店舗にまで広がりを見せている。

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