現金を持たない市川渚が綴る、キャッシュレス決済の良し悪し

現金を持たない市川渚が綴る、キャッシュレス決済の良し悪し

テキスト
市川渚
イラスト:日向山葵 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
2019/03/18
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財布を忘れたことにも気づかないほど浸透している、キャッシュレス生活

スマホを片手に自宅を出て、電車に乗り、仕事場へ向かう。道すがらスタバに立ち寄って、カフェラテを購入。お昼ご飯はUber Eatsでチャチャっと済ませ、打ち合わせを数本、コラム執筆のためにAmazonで気になっていたガジェットをポチって、仕事を一通り終えたら、今夜は古くからの友人たちと食事の約束がある。

「あ、お財布忘れた。」

割り勘だから現金を下ろしておかねばと思い、コンビニのATMの前に立った瞬間、ようやく気づいたのである。今日は、お財布を忘れていたんだということに。もともと、自分は忘れ物が多いタイプでは決してなかったのだけれど、最近そんなことが増えた。

基本的に決済はクレジットカードに集約している。スマホをピッとかざして支払えるお店が増えてからコンビニや自動販売機、各種交通機関ではモバイルSuicaやApple Pay、スタバは専用の決済アプリで支払えばいいので、日常生活では、現金だけでなくカードを提示するシーンも減ったなあと感じる。

無論、それ以上に出番が激減しているのは現金である。もはやカードが使えない行きつけのワインバーでの支払いや友人との割り勘くらいでしか必要に駆られない。

後者はスマホ決済サービスのLINE Payを使って済ませることも増えてきた。友人と旅行に出かけたとき、食事に行ったとき、LINE Payを使って友人に送金し、割り勘を済ませる。メッセージを送る感覚で送金できるので、お店のテーブルに現金を広げて、支払いをし合うよりも、よっぽどスマートだ。

我が家は夫婦でもお財布が別なので、2人で使うものを買った時、どちらかが立て替えた時なども、LINE Payを通じて精算をするようにしている。LINEであれば、多くの人がアカウントを持っているから、サインアップも簡単なので、まだ使っていないという人にもおすすめしやすいのも、ポイントである。クレジットカードとは違い、銀行の口座からお金をチャージして使うので、使いすぎるということもない。

わたしがクレジットカードやスマホ決済サービスを使う魅力のひとつとして、「お金の出入りを『見える化』しやすい」という点がある。銀行口座や各種クレジットカード、決済サービスと連携して、ひとつのアプリでお金の出入を管理できる家計簿アプリもたくさんリリースされている。そういったアプリを使って、一元管理するのだ。

「現金で支払ったほうがお金の重みを感じれるから、無駄遣いが減らせる」という意見もよく耳にするけれど、私はお金の質量を感じることだけが人の金銭感覚を大きく左右するとは思わない。それよりもまず大切なのは、自分の資産がいくらあって、どのくらいのお金が出入りしているのか、それを把握することではないだろうか。

わたしのような個人事業主は、経理や税務的観点からもお金の出入りの記録を残しておくことが重要である。家計簿アプリ感覚で使える帳簿サービスを使って銀行口座やカードなど連携しておけば、手間も省けるし、漏れもない。お金の管理にかける労力や時間は、キャッシュレスによって確実に減っている。

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プロフィール

市川渚(いちかわ なぎさ)

ファッションデザインを学んだ後、海外ラグジュアリーブランドのPRなどを経て、2013年に独立。フリーランスのファッション・コンサルタントとして、ファッション、ラグジュアリー関連の企業やプロジェクトのコンサルティング、デジタルコンテンツのクリエイティブ・ディレクション、プロデュース、制作などを手がける。ガジェットとデジタルプロダクト好きが高じメディアでのコラム執筆やフォトグラファー、モデルとしての一面も。ファッションとテクノロジーがクロスする領域で幅広く活躍中。

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