恩田陸が語る、ビール愛。小説家とお酒の上手な関係性を聞く

恩田陸が語る、ビール愛。小説家とお酒の上手な関係性を聞く

インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:鈴木渉 編集:川浦慧

ノルウェービールに初挑戦。そのお味は?

本日のスタッフおすすめのビールは以下の4種類。

左から:ベルリナーヴァイセ、オスロラガー、インディア・ペールエール、ドリームポーター
左から:ベルリナーヴァイセ、オスロラガー、インディア・ペールエール、ドリームポーター

まずは、白ビールのベルリナーヴァイセから。

恩田:どれどれ。あ、すごい果実系!

ベルリナーヴァイセとは、大麦と小麦を使ったドイツ、ベルリン発祥の伝統的な白ビール。白ビールと言えばオレンジピールなどの香辛料を加えたものもあるが、このお店のベルリナーヴァイセもとってもフルーティーで、印象としてはサワーに近い。あるいはビールとジュースの中間といったところ。日本人にとっては少し馴染みが浅いが、ヨーロッパではとってもポピュラーな味だ。

続いて登場したのは、オル トーキョーの定番、オスロラガー。その名のとおりラガービールなので、こちらは日本人とぐっと距離が近いのでは?

 

恩田:ずっとビールっぽいですね。よく知っている人って感じです。

とはいえ、やはりノルウェーオリジナルということで市販の日本製ラガーと比べると、超がつくような辛口ではない。風味もフルーティーで、舌触りもさわやか。このハンドメイドな感じは、クラフトビールの醍醐味とも言えよう。

そして3番目に控えしは、通称IPA。インディア・ペールエールである。たくさんのホップをたっぷり使った香り高さが特徴的で、ホップのフルーティーさと酵母や麦芽の風味とあいまってパイナップルのようなフレーバーを感じさせる。

恩田:うん。おいしい。長年の疑問だったんですけど、これってなんで「インディア」って言うんですか?

と、質問する恩田さんにスタッフさんからインディア・ペールエールの歴史のミニ授業。発祥の地であるイギリスから船に運ばれて輸出されたエールビール。しかし、当時は冷蔵技術が整っていなかったために、どうしても劣化は避けられなかった。そこでそれを避けるための対策として考えられたのが、ホップを大量に使って、ハイアルコール化するという作戦。

多少劣化しても、おいしいままに遠隔地に届ける技術が、そこで確立されたのだとか。そして、イギリスの地から出発し、はるかインドの地まで運んでもおいしいビールということで、「インディア」ペールエールの名称がついたのだそう。

恩田:なるほど~。本当に「インドの」っていう意味なんですね。勉強になりました。

オル トーキョー店長の管野さんにお話を聞いている様子
オル トーキョー店長の管野さんにお話を聞いている様子

さて、ラスト4つめは黒ビールのドリームポーター。意外と黒ビールは苦手という人もいると思うのだが「これはけっこう飲みやすいですよ」とスタッフさんも太鼓判を押す、自信の1杯だ。

 

恩田:おおお、チョコレートみたい! そしてコーヒーっぽくもある。

飲みやすさの秘密は、醸造過程で入れられたわずかなチョコレートにあり。その効果で、ライトボディーな味わいでありながら、しっかり甘みもついていて、女性にも人気があるのだとか。そして、恩田さんが感じたコーヒー感は、コーヒーそのものではなく、ローストされた麦芽の風味によるものらしい。

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プロフィール

恩田陸(おんだ りく)

1964(昭和39)年、宮城県生れ。早稲田大学卒。1992(平成4)年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で吉川英治文学新人賞、本屋大賞を、2006年『ユージニア』で日本推理作家協会賞を、2007年『中庭の出来事』で山本周五郎賞を、2017年『蜜蜂と遠雷』で直木賞と2度目の本屋大賞をそれぞれ受賞した。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。著書に、『三月は深き紅の淵を』『光の帝国 常野物語』『木曜組曲』『ネバーランド』『ライオンハート』『私と踊って』『夜の底は柔らかな幻』などがある。

店舗情報

ØL Tokyo

東京都渋谷区宇田川町37-10 麻仁ビル
03-5738-7186
営業時間:(月・火)12:00~24:00(水・木)12:00~翌1:00(金・土)12:00~翌2:00(日)12:00~24:00

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