「バイオハッカー」という言葉を耳にしたことがありますか? これは、体内にICチップなどのテクノロジーを取り込んだ人々を指す言葉。近年、社員証を体内に埋め込んだICに置き換えるなど、一部企業でバイオハックを実用化する例が登場し始め、例えばスウェーデン国内には数千人のバイオハッカーが存在するといわれています。そして2017年、スウェーデンの国営鉄道会社「SJ」は体内に埋め込んだ無線IDチップ(RFID)による乗車券の販売をスタートしました。国がバイオハック技術の推進を行なっているのです。
ICチップを人間の体内に埋め込む技術は、1980年代に医療デバイスに実用化されはじめましたが、今後はさまざまなシーンへ転用されていくことが期待されます。バイオハック技術が一般化された未来、人々の生活はどう変化を遂げるのでしょうか? SF的世界を描いたデビュー作『interw@//(インターウォール)』が『文化庁メディア芸術祭』審査員推薦作品に選出された佐々木充彦氏が、その世界を映し出します。
- プロフィール
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- 佐々木 充彦 (ささき みつひこ)
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1983年1月26日生まれ。福岡県北九州市出身。代表作『インターウォール』(ピエブックス)が文化庁メディア芸術祭審査員推薦作品を受賞。イラストや装丁、MV用アニメなども手掛けている。