北欧の人々が愛する「コーヒー休憩」って?
北欧の人はコーヒーが大好き。フィンランドは世界で唯一、雇用契約に「Kahvitauko」(カハヴィタウコ)というコーヒー休憩の権利が明記されていますし、スウェーデンは「Fika」(フィーカ)と呼ばれる休憩時間に、職場でもコーヒーとお菓子がデスクに並べられます。デンマークではコーヒー休憩がもたらす心地よい時間を「Hygge」(ヒュッゲ)と呼んだりしますね。『北欧おみやげ雑貨図鑑』第3回は、コーヒーにまつわる品々と、それらを育んできた背景を見てみたいと思います。
ヘルシンキのカフェブームの火付け役「ROBERT'S COFFEE」
ROBERT'S COFFEE「おなかコーヒー」(詳細を見る)
フィンランドを訪れたら、まず間違いなく「ROBERT'S COFFEE」の看板と、まるでリビングルームでくつろぐようにコーヒーを楽しむ人々を目にするでしょう。このカフェのルーツは、1987年にロバート・パウリグによってヘルシンキに作られた小さな小さな焙煎所。
彼の家は遡ること6世代にわたりコーヒー業に携わっており、コーヒーを焙煎する技芸は彼の中にしっかりと受け継がれていました。やがて1992年に最初のカフェをオープン。ヘルシンキのカフェブームの火付け役となり、今や「ROBERT'S COFFEE」は100以上の店舗を構えて、今日もフレッシュでおいしいコーヒーを届けています。
働く女性の負担を減らすためのコーヒーメーカー『Café Solo』
Café Solo(詳細を見る)
コーヒーをいれるための機能と形状の美しさを誇るコーヒーメーカー『Café Solo』は、デンマークのキッチン用品ブランド「Eva Solo」を代表する商品。他の道具や電気は一切使わず、これさえあればコーヒーを楽しむことができるすぐれもので、カラーバリエーションも豊富です。
もともと「Eva Solo」は、「Eva denmark」社において、デザインユニット「Tools Design」が手がけるプロダクトを発表するために1997年に作られたブランドでした。社名は4世代目となる代表・ヤン・エンゲルブレヒトのお母さんの名前に由来していますが、こういった斬新な発想と大胆な手法で作り上げられる「Eva denmark」のキッチンツールは、1950年代に働きに出るようになったデンマークの女性たちの家事負担を減らすために考案されたのが始まり。そのDNAが愛され続けて今日に至るのです。
新たな素材や形を提案し続けた、スティグ・リンドベリの「メラミンカップ」
スティグ・リンドベリ BLUES カップ&ソーサー(詳細を見る)※入荷は秋頃を予定
スウェーデンの誇る北欧ミッドセンチュリーデザインの巨匠、スティグ・リンドベリ。1916年にリンドベリ家の五男として生まれた彼は、才能豊かな兄弟たちとともに育ちました。彼自身は音楽に秀でていましたが、指の怪我により工芸の道へと進みます。
持ち前の好奇心と探究心により、人々の生活に即した新たな素材や形を提案し続けた彼の姿勢を代表するものが、1960年代に発売されたメラミンカップ。陶磁器と全く異なるこの新素材は、軽くて割れにくく、大人気となり、北欧の人々の生活に溶け込んでいきました。
北欧の人々にとってコーヒーは、一緒に時間を楽しむツールのひとつ。ポットにたっぷりコーヒーを用意して、家族や同僚に声を掛けてみてはいかがでしょう? Have a good life!
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- プロフィール
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- 加藤麻由子 (かとう まゆこ)
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1985年生。武蔵野美術大学建築学科卒。アート・デザイン・建築界隈を経て、2013年(株)ピーオーエス入社。現在は制作とストアマネジメントの両刀使い。海外買付に行く度に自由時間をすべて建築見学につぎ込みます。公私関わらず一日中北欧のことを考えて、隙あらば映画館に滑り込み、休日は気が済むまで読書と昼寝と料理を楽しみます。「Hyggeたれ」が座右の銘。マッツ・ミケルセンさんの大ファンです。