若き環境活動家の素顔に迫る『グレタ ひとりぼっちの挑戦』10月公開

世界に強烈な印象を与えたスピーチから2年。スウェーデンの若き環境活動家、グレタ・トゥーンベリの素顔に迫ったドキュメンタリー映画『グレタ ひとりぼっちの挑戦』の日本公開が2021年10月22日に決定した。

2019年にニューヨーク国連本部で開かれた気候行動サミットで涙ながらに強く訴えたスピーチで、世界中に強いインパクトを与えたグレタ。彼女は2019年のフォーブス誌にて「世界で最も影響力のある女性」に選出、同年のタイム誌でも「今年の人」として紹介され、今や世界で最も有名な若き環境活動家となった。本作では、世界から注目を集める1年以上前から彼女に密着し、多くの若者を動かしたその素顔に迫る。

本編の始まりは2018年8月。気候変動に対する政府の無関心に抗議するため、15歳のグレタはたったひとりでストックホルムにある国会議事堂前に座り込み、学校ストライキを始めた。自作の看板を掲げ、リーフレットを配りながら通行人の質問にも丁寧に答えるグレタ。毎週金曜日に行っていたこの行動は「Fridays For Future(未来のための金曜日)」と名付けられ、世界中の若者たちにも次第に浸透していく。たったひとりで始めたストライキは、数か月のうちに国内外へ広がる一大ムーブメントになっていき、その後、2019年にニューヨーク国連本部で開かれた気候行動サミットで涙ながらに強く訴えたスピーチでグレタはさらに世界的な注目を浴びる存在となっていく……。

本作では、彼女が気候問題に関する専門的知識と揺るぎない覚悟を持ち、国連総長アントニオ・グテーレスやフランスのマクロン大統領、ローマ教皇など世界のリーダーらと議論を重ねていく様子をもっとも身近なところで寄り添うように捉えている。同時に、犬や馬と戯れるリラックスした姿のほか、アスペルガーの症状について冷静に自身で分析する姿、重圧と向き合い葛藤する姿、彼女の様々な行動を支える家族の姿も映し出す。

グレタは公開にあたり「とにかく私たちが社会に求めているのは、気候変動を危機として捉え、安全な未来を守ってほしいということだけ。映画を観れば、その実現までどれ程遠いのか、『もう時間がない』という科学的なメッセージが全く伝わっていないということも分かってもらえるはず」とコメントしている。

真っ直ぐなメッセージと行動力で、環境活動家のリーダーとして若者から称えられる一方で、強い口調と怒りに満ち溢れた表情からくる強烈なイメージで、反感や偏見を持たれることも少なくなくないグレタ。彼女は世界から注目される状況をどう感じ、何のために闘うのか。私たちはこれからその想いにどのように向き合い、生きるべきか。SDGsへの関心が高まる今だからこそ、知っておくべきことと言えるだろう。



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湖や森に囲まれた、豊かな自然と共生する考え方。長い冬を楽しく過ごすための、手仕事の工夫。

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カルチャーマガジン「Fika(フィーカ)」は、北欧からこれからの幸せな社会のヒントを見つけていきます。

スウェーデンの人々が大切にしている「Fika」というコーヒーブレイクの時間のようにリラックスしながら、さまざまなアイデアが生まれる場所をめざします。

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