magmaが語る、収集アイテムや限られたお題で楽しむクラフト感覚

magmaが語る、収集アイテムや限られたお題で楽しむクラフト感覚

インタビュー・テキスト
島貫泰介
撮影:田川優太郎 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)
2021/06/21
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杉山純、宮澤謙一が結成するmagmaは、既存の家具やガラクタ、廃材などを組み合わせて、想像もしなかったオブジェをつくり出すアーティストユニット。その活動は個人的なアートワークだけでなく、映像作品やオフィスへのアートワークの提供などクライアントワークにも及び、広がり続けている。

その活動をさらに推し進めるべく、彼らは数年前に都心近郊の大きなスタジオに拠点を移した。日々、さまざまな素材を収集し、そこから新しい「かたち」を生み出すmagmaにとって、この空間の広さ、雑多さは重要なものなのだろう。そんな秘密基地のような空間で、日々作品を生み出し続けるmagmaに、そのクリエイション、クラフトマンシップの精神が沸き立つ根源を聞いた。

magma(まぐま)<br>杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニット。廃材や樹脂、電動器具などを組み合わせ創りだす独自の世界観で、作品制作にとどまらず家具やプロダクト、空間演出ディレクション・制作まで幅広く手掛ける。どこか懐かしさを覚えるアナログ感とクレイジーな色彩が融合した作品群は、国内外から注目を集めている。
magma(まぐま)
杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニット。廃材や樹脂、電動器具などを組み合わせ創りだす独自の世界観で、作品制作にとどまらず家具やプロダクト、空間演出ディレクション・制作まで幅広く手掛ける。どこか懐かしさを覚えるアナログ感とクレイジーな色彩が融合した作品群は、国内外から注目を集めている。

magmaのはじまり、美大時代を振り返る

―magmaは、今年で結成何年目ですか?

宮澤:結成が大学3年生の頃で、2009年だから12年目でしょうか。僕らは武蔵野美術大学出身で、同じく二浪して入学した多浪生。現役生のなかでは浮いてしまうので、5人ぐらいでよく固まるようになるんです(笑)。そこで出会って、意気投合して……という感じですね。

杉山:学内の芸祭が最初でしたね。そこで初めて一緒に作品をつくって、そのあとは学外で展示したり、卒制も一緒でした。

―卒制でグループ制作というのは美大では珍しい気がします。いまでこそアーティスト同士でチームを組む「コレクティブ」の動向も当たり前になりましたが、学内では作品はあくまで1人でつくるものという空気があります。

宮澤:けっこう尖った人が担当教授だったんです。小竹(信節)先生という舞台美術家で、「天井桟敷」(1960~83年代にかけてアングラ演劇ブームの流れをつくった前衛劇団。寺山修司が主宰)の舞台美術もやっていたサンタクロースみたいな外見の人。

武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科研究室による、小竹信節の紹介動画

―小竹さん、ジャンルを超えていろんな人たちが一緒に表現活動することを当たり前にやっていた時代を知る人ですね。

宮澤:だから「なんでもやっていいよ」という雰囲気があって。ハービー・ハンコックの“Rock it”のミュージックビデオを小竹先生から教えてもらって、そんな感じの世界観の作品をつくりたいなと思い、僕らは人型ロボットがウェイターで、頭部だけのロボットがご飯を食べているレストランのようなインスタレーションをつくりました。

ハービー・ハンコック“Rock it”

magma『FUTURE SHOCK』(2009)
magma『FUTURE SHOCK』(2009)

―無人のシアター作品のような。

宮澤:そうですね。これを見てくれた映像作家の鎌谷聡次郎さんが声をかけてくださって、木村カエラさんのMVに参加できたのが嬉しかったです。僕らが学生の頃ってMVへの憧れがめちゃくちゃありましたから。プロの現場に参加できたのは、その緊張感も含めて勉強になったし、カエラさんを直に見られたのも嬉しかったです(笑)。

magmaが参加した、木村カエラ“WONDER Volt”のMV

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イベント情報

magma Pop-up store
『ISETAN MAGMA館』

開催期間:6月2日(水)~6月22日(火)
場所:東京都 新宿 伊勢丹新宿店メンズ館2階 メンズクリエーターズ

magma
『SUMMER CHAIR 21』

開催期間:6月9日(水)~7月4日(日)
場所:東京都 新宿 Bギャラリー

プロフィール

magma(まぐま)

杉山純と宮澤謙一によるアーティストユニット。廃材や樹脂、電動器具などを組み合わせ創りだす独自の世界観で、作品制作にとどまらず家具やプロダクト、空間演出ディレクション・制作まで幅広く手掛ける。2017年に活動10周年を迎え、ラフォーレミュージアム原宿にて大型展覧会を開催。近年の実績は映画『WE ARE LITTLE ZOMBIES』のアートワーク、LAのアート・クリエイティブ集団Brain Deadとのコラボレーション、メルカリ,BOSCHなどオフィスのアートワーク制作、ゆず,サカナクション,PUNPEEをはじめとする多数ミュージシャンへの作品提供などがある。どこか懐かしさを覚えるアナログ感とクレイジーな色彩が融合した作品群は、国内外から注目を集めている。

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