Kanocoと鈴木マサルが語る「色と柄」が人生にもたらす豊かさ

Kanocoと鈴木マサルが語る「色と柄」が人生にもたらす豊かさ

インタビュー・テキスト
宇治田エリ
撮影:佐藤翔 編集:吉田真也(CINRA.NET編集部)

多くの人を「色と柄」で元気づけたいという思いがありました(鈴木)

―「色と柄」が、長らく北欧の人々の心も明るくしてきたかもしれないと。まさに、2021年4月25日から5月9日にGallery AaMo(ギャラリーアーモ)で開催予定だった個展『鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に。』も同様のテーマですが、残念ながら緊急事態宣言の影響で開催中止になってしまいました。どのような思いで企画された展示だったのでしょうか?

鈴木:最初にGallery AaMoさんから、「コロナ禍だからこそ、人の気持ちが明るくなるような展示をお願いできませんか?」とお誘いいただいて、ぼくも「人々の気持ちがポジティブになる展示ってすごく良いな」と共感し、引き受けることにしたのです。そういう思いで準備を進めてきた展示すらも、結果的にはコロナの影響でできなくなってしまいましたけど。

鈴木マサルのInstagram公式アカウントにて公開された個展『鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に。』のエキシビション動画

展示会場の天井には、鈴木がデザインを手がけた傘が約122本も吊るされている
展示会場の天井には、鈴木がデザインを手がけた傘が約122本も吊るされている

―緊急事態宣言発令となり、個展の中止が決まったのは開催前日だったそうですね。

鈴木:準備も済んでいましたし、ゴールデンウィーク期間中の開催だったので多くの人を「色と柄」で元気づけたいという思いもありましたから、やっぱり精神的なダメージは大きかったです。でも、こればっかりはしょうがない。また別の機会にお披露目できたら嬉しいです。

Kanoco:こんなにすてきな空間なのに、中止になってしまって本当に残念……。会場に入った瞬間、吊り下げられた巨大な生地に圧倒されました。一気に「色と柄」の世界観へと引き込まれるこの感覚を、いつか多くの人に体験していただける日が来たら良いですね。

入場してすぐに現れる、鮮やかな色の巨大な生地
入場してすぐに現れる、鮮やかな色の巨大な生地
巨大な生地は、あらゆるスペースに掲げられていた
巨大な生地は、あらゆるスペースに掲げられていた

大きな布って旗や横断幕で使われるように、どこか人の気持ちを高揚させるんです(鈴木)

鈴木:この大きな布は、本展のためにつくった新作なんですよ。ここまで大きな生地を用いた作品は初めてだったので、吊るされたのを見たときは、準備を進めてきたスタッフと息を飲みました。

―たしかに、カラフルな色や柄はもちろんですが、このスケールの大きさにも心躍りますね。

鈴木:大きな布って旗や横断幕で使われるように、どこか人の気持ちを高揚させるんですよね。ただ、それが暗い色だと圧迫感が出てしまうはず。明るい色だからこそ、ワクワク感につながるのだと思います。

―動物や植物などのモチーフがさまざまな色と柄に落とし込まれていて、どの作品も見ていて楽しい気分になりますね。

Kanoco:私も作品を見ていると、すごくポジティブな気持ちになります。全体的にたくさんの色を使っていて大胆ですが、一つひとつの柄はシンプルなものも多いので、不思議と統一感がある気がします。

鈴木:シンプルであることは、ぼく自身も大切にしていること。なんでもかんでも柄や色を多用すれば良いというわけではなく、シンプルさがベースにありつつも、スパイスとして色を使うというイメージでつくっています。

Kanoco:鈴木さんの作品は、その意図をすごく感じるから好きなんですよね。自分にはない鈴木さんの感性に憧れます。

左から:鈴木マサル、Kanoco
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イベント情報

『鈴木マサルのテキスタイル展 色と柄を、すべての人に。』(※開催中止)

会場:東京ドームシティGallery AaMo

※新型コロナウイルス感染拡大防止対策により開催中止。本展の延期開催については未定ですが、詳細が決まり次第、下記のGallery AaMoのホームページにて告知予定。

プロフィール

Kanoco(かのこ)

モデル。兵庫県出身。CM広告やファッション誌、カルチャー誌などに多数出演。2020年には『鈴木マサルの傘 10周年』でイメージモデルを務めた。現在はライフスタイルの発信やアパレルブランドとのコラボレーションなど、モデル以外にも活躍の幅を広げている。無類のシロクマ好き。

鈴木マサル(すずき まさる)

テキスタイルデザイナー。1968年、千葉県生まれ。多摩美術大学染織デザイン科卒業後、粟辻博デザイン室に勤務。1995年に独立し、2002年に有限会社ウンピアットを設立。2005年からファブリックブランド「OTTAIPNU(オッタイピイヌ)」を主宰。自身のブランドのほかに、フィンランドの老舗ブランド「マリメッコ」のデザインを手がけるなど、国内外のさまざまなブランドのプロジェクトに参加している。

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