サッカー選手・田中亜土夢が没頭する、フィンランドの本場サウナ

サッカー選手・田中亜土夢が没頭する、フィンランドの本場サウナ

インタビュー・テキスト
榎並紀行(やじろべえ)
編集:吉田真也(CINRA)

フィンランドの名門クラブ「HJKヘルシンキ」に所属するサッカー選手・田中亜土夢。Jリーグで活躍したのち、2015年にフィンランドリーグに挑戦し、本場のサウナの魅力に開眼したという。2018年には一度Jリーグに復帰するも、本場のサウナや北欧文化を忘れられなかったこともあり、2020年からふたたびフィンランドリーグへ。

現在では背番号を37(サウナ)にするほどの愛好家になった田中にとって、サウナは娯楽であるとともに、人生においても欠かせないものとなっているそうだ。その証拠に2020年8月、フィンランドのサウナ文化やカルチャーなどを伝えるウェブメディア『MOI SAUNA』を自ら立ち上げ、本格的にフィンランドの魅力や本場のサウナの醍醐味などを世に発信している。

今回はそんな田中選手に、あらためてサウナにハマった経緯や本場ならではの楽しみ方などについてうかがった。そこで語られた、サウナ文化に紐づく、フィンランドが幸福度の高い国である理由とは……?

オーロラを見ながらサウナ。日本では体験できない、本場ならではの体験

―まずは、田中選手がサウナにハマったきっかけを教えていただけますか?

田中:2015年にフィンランドのクラブ「HJKヘルシンキ」に移籍し、初めて本場のサウナに出合いました。日本にいたときも試合前にスーパー銭湯や温泉のサウナに入ることはありましたが、本格的にハマったのはフィンランドに来てからですね。

田中亜土夢(たなか あとむ)<br>1987年10月生まれ、新潟県出身。2005年にアルビレックス新潟の特別指定選手となり、高校生ながらJリーグ公式戦に2戦出場した。前橋育英高校を卒業後、2006年にアルビレックス新潟に入団。同年にはU-20日本代表に選出。アルビレックス新潟は2014年まで在籍し、公式戦通算200試合に出場した。2015年、フィンランドの「HJKヘルシンキ」に移籍し、日本人として初めてフィンランドの1部プロリーグに挑戦する選手となる。2017年に退団するまで、通算公式戦81試合出場、計20得点を挙げ、国内2冠に貢献。2018年よりJリーグのセレッソ大阪に加入。2020年に再びフィンランド「HJKヘルシンキ」に復帰。同年のリーグ戦とカップ戦の2冠達成に貢献した。2020年8月には、フィンランドの文化やサウナの魅力を発信するサイト『MOI SAUNA』を立ち上げる。
田中亜土夢(たなか あとむ)
1987年10月生まれ、新潟県出身。2005年にアルビレックス新潟の特別指定選手となり、高校生ながらJリーグ公式戦に2戦出場した。前橋育英高校を卒業後、2006年にアルビレックス新潟に入団。同年にはU-20日本代表に選出。アルビレックス新潟は2014年まで在籍し、公式戦通算200試合に出場した。2015年、フィンランドの「HJKヘルシンキ」に移籍し、日本人として初めてフィンランドの1部プロリーグに挑戦する選手となる。2017年に退団するまで、通算公式戦81試合出場、計20得点を挙げ、国内2冠に貢献。2018年よりJリーグのセレッソ大阪に加入。2020年に再びフィンランド「HJKヘルシンキ」に復帰。同年のリーグ戦とカップ戦の2冠達成に貢献した。2020年8月には、フィンランドの文化やサウナの魅力を発信するサイト『MOI SAUNA』を立ち上げる。

―日本のサウナとは何が違ったのでしょうか?

田中:本場でフィンランド式のサウナ入浴法「ロウリュ」(熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を発生させる入浴方法)を体感してみて、日本の一般的なサウナとはまた違う気持ち良さがあったんです。日本のドライサウナにはない、やわらかい蒸気の温かさに惹かれましたね。

あとは、なんといっても雰囲気の良さ。フィンランドは街中だけじゃなく、大自然のなかにもサウナがあります。海のすぐそばや湖畔などにあるため、サウナのあとは自然の水風呂に入れるんです。森に囲まれたような場所で、風や水の音を聴きながら水風呂に入るのはすごく贅沢で、体も心もリラックスできます。

特に思い出として残っているのは、オーロラを見ながらサウナに入ったこと。絶景を眺めながら楽しむサウナは格別でした。まさに日本じゃ体験できないことですよね。

フィンランドのハンカサルミという地域にあるサウナ。気候や条件が揃えば、オーロラを眺めながら本場のサウナが体験できる(画像提供:田中亜土夢)
フィンランドのハンカサルミという地域にあるサウナ。気候や条件が揃えば、オーロラを眺めながら本場のサウナが体験できる(画像提供:田中亜土夢)

―それは貴重な体験ですね……!

田中:あと昨年は、カヤックで「ピックレイコ島」という島にあるサウナに行ったんですけど、そこも良かったです。本島からピックレイコ島まで、景色を楽しみながら30分くらい自分でカヤックを漕いで行くのですが、ほどよく疲れたあとに入るサウナが最高でした。風が穏やかならそこまでハードではないので、ぜひ日本から訪れた際には体験してほしいです。

フィンランド在住のため、オンラインでインタビューを実施した
フィンランド在住のため、オンラインでインタビューを実施した

サウナに入る時間や、ルールは決めない。心からリラックスすることを大事に

―フィンランドは、そもそもサウナの数自体が日本とは比べ物にならないくらい多いそうですね。やはり身近な文化として根づいていると実感しますか?

田中:そうですね。家にサウナが付いている物件もかなり多いですから。日常的にサウナを楽しめる環境が整っているので、文化として根づいているのかなと思います。

ぼく自身も、2015年に初めてフィンランドで借りた部屋にはサウナがあったので、お風呂感覚で毎日入っていました。現在、住んでいる部屋自体にはないのですが、マンションの建物内には共有のサウナがあって、月15ユーロ払えば週に1回、決まった時間に入れます。

以前の自宅についていたサウナと愛犬のバーク(画像提供:田中亜土夢)
以前の自宅についていたサウナと愛犬のバーク(画像提供:田中亜土夢)

―サウナと水風呂に入る時間やセット数など、入り方のルールは決めていますか?

田中:ぼくは時間やルールは決めず、その日の体調に合わせて入ります。サウナも水風呂も、気持ちよくなったら出るという感じですね。ルールを決めるとそのことを気にしてしまうので、あまり余計なことは考えずに心からリラックスすることを大事にしています。

冬場などはサウナで十分に体を温めたら水風呂でパッと冷やして、あとは外気浴。肌がジワーっとしてくるのが気持ちよくて、自分の身体と向き合っているような感覚になるんです。スポーツ選手は身体が資本なので、ぼくにとってサウナが身体のメンテナンスにもなっていますね。

2020年にスメオンカップで優勝した際の写真(画像提供:田中亜土夢)
2020年にスメオンカップで優勝した際の写真(画像提供:田中亜土夢)
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ウェブサイト情報

『MOI SAUNA』

フィンランドリーグ初の日本人フットボーラー田中亜土夢が、今感じてもらいたい、フィンランドの文化や魅力を紹介するサイト

プロフィール

田中亜土夢(たなか あとむ)

1987年10月生まれ、新潟県出身。2005年にアルビレックス新潟の特別指定選手となり、高校生ながらJリーグ公式戦に2戦出場した。前橋育英高校を卒業後、2006年にアルビレックス新潟に入団。同年にはU-20日本代表に選出。アルビレックス新潟は2014年まで在籍し、公式戦通算200試合に出場した。2015年、フィンランドの「HJKヘルシンキ」に移籍し、日本人として初めてフィンランドの1部プロリーグに挑戦する選手となる。2017年に退団するまで、通算公式戦81試合出場、計20得点を挙げ、国内2冠に貢献。2018年よりJリーグのセレッソ大阪に加入。2020年に再びフィンランド「HJKヘルシンキ」に復帰。同年のリーグ戦とカップ戦の2冠達成に貢献した。2020年8月には、フィンランドの文化やサウナの魅力を発信するサイト『MOI SAUNA』を立ち上げる。

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