写真クレジット:Visit Finland/フォトグラファー:Kari Ylitalo
「フィンランド式サウナの伝統」がフィンランド初のユネスコ無形文化遺産に登録されることが決定した。
フィンランドの人々にとってサウナは生活と切り離せない存在になっており、フィンランド政府観光局によると、フィンランドには約320万ものサウナが存在し、国民の90%近くが週に1度はサウナに入浴しているという。またサウナ発祥の地と呼ばれるだけに歴史も古く、伝統的な加熱方法などの慣習が受け継がれているだけでなく、神話や昔話にも登場するなど、フィンランドに深く根を下ろした文化になっている。
登録に際してアンニカ・サーリッコ科学文化大臣は「サウナは、フィンランド人の日常、お祝い、幸福、生活習慣において切っても切れない文化です。サウナ内では、人間関係の平等さやお互いを尊重することが重視されます」と語り、「登録により世界中に私たちのサウナ文化がより一層知れ渡ることになるでしょう。すべてのサウナ愛好家達が、この事を誇りに思うでしょう」と喜びのコメントを残した。フィンランドサウナクラブのリトバ・オメロルオマ氏も「サウナ入浴は、私たちフィンランド人にとって、代々引き継がれる大切で愛すべき伝統です。ユネスコの承認は大変光栄です」と感謝を述べた。
ユネスコによる無形文化遺産の保護条約とは、社会的慣習や祭礼行事、伝統芸能、工芸技術など、形に残らない文化の国際的保護を目的とした多国間条約であり、日本も今回は宮大工などの職人たちが古くから継承してきた技術に関する「伝統建築工匠の技:木造建造物を受け継ぐための伝統技術」が登録されることになった。
2013年に「和食:日本人の伝統的な食文化」が登録されて世界的に和食ブームが起こったことも記憶に新しい。今回の登録を受けてフィンランド式サウナがさらなる注目を集め、世界的なブームが一段と加速することを期待したい。