ゆーみん&きうてぃ、ユーロヴィンテージと北欧ミリタリーの魅力

ゆーみん&きうてぃ、ユーロヴィンテージと北欧ミリタリーの魅力

インタビュー・テキスト・編集
吉田真也(CINRA)
撮影:佐藤翔

ミリタリーなのに「かわいらしさ」がある。スウェーデン軍のもうひとつの名品

すでにファッション好きの間で認知が広がっているM-90に続き、スウェーデン軍の名品としてユーロミリタリー好きのあいだで密かに注目されているのが、モーターサイクルジャケットだ。戦時中の伝達係などを担うバイク兵が着用していた軍服だが、やはり他国軍のものに比べてもフォルムに丸みを感じる。

1960年代製のスウェーデン軍のモーターサイクルジャケット(きうてぃさん私物)
1960年代製のスウェーデン軍のモーターサイクルジャケット(きうてぃさん私物)
1960年代製のスウェーデン軍のモーターサイクルジャケット(きうてぃさん私物)

きうてぃ:スウェーデン軍のモーターサイクルジャケットは、アシンメトリーなつくりが特徴。ボタンのかけ方次第で、いろんな着方ができますし、ミリタリーなのに「かわいらしさ」がありますよね。

あと、ボアライナーもついているから防寒性もばっちり。やっぱり、スウェーデン軍に限らず、デンマーク軍やフィンランド軍などの北欧軍のアウターは、寒さをしのぐライナーつきのタイプが多い。向こうの冬を超すためにつくられているから、日本の冬なら余裕で越せます(笑)。

デザイナーズブランドがユーロヴィンテージを元ネタにしたり、M-90のモッズコートがM-65をサンプリングして生まれたり、名品は参考にされるのが宿命ともいえる。実は、このスウェーデン軍のモーターサイクルジャケットも「元ネタ」にされることが多い逸品だ。

ゆーみん:きうてぃのモーターサイクルジャケットの素材はコットンですが、実は同じかたちでレザー版も当時つくられていたんですよ。そのレザー版のレプリカとして、1990年頃に生産されたのがこのレザージャケットです。

フランスの民間メーカーから、レプリカとして1990年代に生産されたモーターサイクルジャケット。素材はカーフレザー(ゆーみんさん私物)
フランスの民間メーカーから、レプリカとして1990年代に生産されたモーターサイクルジャケット。素材はカーフレザー(ゆーみんさん私物)

ゆーみん:1960年代のものが、数十年経ったあともレプリカとしてわざわざつくられるということは、そのデザインが現代でも通用すると認められている証拠。スウェーデン軍製のデザイン性の高さがうかがえますよね。

また、レプリカは価格も比較的お手頃ですし、タウンユースしやすい。なによりデザインの良さがそのままなので、製造年が新しい年代でも古着市場で人気があります。

本場より、日本のほうがアツい? 北欧製ヴィンテージの流通事情

日本国内の需要が年々高まっている北欧製のヴィンテージ・ミリタリーだが、本国ではどうなのだろうか。ゆーみんさんは、実際にスウェーデン、ノルウェー、フィンランド、デンマークでもユーロヴィンテージの買い付けや古着屋巡りを試みたが、日本ほど古着市場の盛り上がりが見られなかったそうだ。

ゆーみん:いろいろ回りましたが、ビビッとくるヴィンテージ古着はほとんどなかったです。北欧にも少しだけ古着屋はありましたけど、リサイクルが目的の古着屋さんが多くて。多分、「古着を着たい」っていう価値観や文化が、そこまで根づいていなのかなと。

ゆーみんさんがスウェーデンの街を巡った際の動画(ゆーみん&きうてぃ official YouTube)

ゆーみん:まあ、ぼくはサウナが大好きなので、旅行としては最高でしたけどね(笑)。北欧製のヴィンテージやミリタリーが欲しいなら、日本の古着屋のほうが断然ありますよ。ぼくがいま着ているスウェーデン製のドレスシャツも、都内の古着屋でたまたま見つけたやつですし。

ドレスシャツのタグに書かれているのは、「ストックホルム市立劇場」(ゆーみんさん私物)
ドレスシャツのタグに書かれているのは、「ストックホルム市立劇場」(ゆーみんさん私物)

ゆーみん:それこそ、きうてぃが働いている高円寺の古着屋「militaria」は、北欧のヴィンテージやミリタリーが結構置いてあるよね。

きうてぃ:そうだね。一応、独自の買い付けルートがあって。結構、他店に比べても品揃え良いほうだと思うので、北欧製のものが欲しい方は、ぜひうちのお店に一度お越しください(笑)。

ゆーみん:うわぁ。その買い付けルート、うらやましいな(笑)。

左から:ゆーみん、きうてぃ

本場よりも、日本のほうが盛り上がりを見せているかもしれないユーロヴィンテージ。その魅力や奥深さに気づく人は今後も増え続けると同時に、柔和な価値観が重視される時代もきっと続くだろう。

だからこそ、どこか「かわいらしい」雰囲気を放つ、北欧製のヴィンテージ・ミリタリーの注目度も、ますます高まっていくはず。いまのところ、都内の古着屋で見かけるケースもあるとのことなので、ふらりと立ち寄ってみては? 素敵な北欧製のヴィンテージ・ミリタリーに出会えるかも。

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プロフィール

ゆーみん&きうてぃ

ヴィンテージ古着のオンラインショップ「from_antique」を経営している「ゆーみん」と、高円寺にあるユーロヴィンテージ専門店「militaria」「encore」のショップスタッフ「きうてぃ」の二人組で活動する、ファッションYouTuber。高校時代から友人だった二人は、大学卒業後に入社したそれぞれの会社を退職し、現在の古着業へ。2018年8月にYouTubeチャンネルを開設し、主にヴィンテージ古着の魅力を定期的に発信するようになる。2020年10月現在、チャンネル登録者数は3万3000人を突破。ファッション雑誌やウェブメディアで取り上げられるなど、注目を集めている。

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