お家で作れる北欧料理。スウェーデン伝統「グラタン」レシピ

北欧の食文化を日本の食卓で味わえる、おいしいレシピ

現地の暮らしを知るには、その土地の食文化や伝統料理にふれることが一番の近道ではないでしょうか。北欧は冬が長く、使える食材も限られていることから、料理方法を変えて食事を楽しむ工夫をしています。本連載は、北欧の家庭料理を日本の食卓で味わえるレシピを紹介。1回目はじゃがいもとアンチョビのグラタンです。

厳格なベジタリアンさえも、匂いにつられてしまった。魅惑の「じゃがいもとアンチョビのグラタン」

長く寒い冬が続くスウェーデン。かつては、収穫できる野菜の数があまりなく、夏に採れた野菜を保存食にして大切に食べていました。そのなかでも、じゃがいもは収穫量が多く、そのまま保存することもできるため、主食のように食べられています。

スウェーデンにはさまざまなじゃがいも料理がありますが、とくに人気なのが、「ヤンソンの誘惑」という名のグラタン。収穫祭やクリスマスなどのパーティーにはかかせない料理の一つだそう。

「ヤンソンの誘惑」とは、変わったネーミングですよね。実は、19世紀に存在した、とても厳格なベジタリアンの宗教家・ヤンソンの名前が由来なんです。伝統的なおもてなし料理「じゃがいもとアンチョビのグラタン」を前にした彼は、あまりにもおいしそうな見た目と匂いに、ついつい食べてしまったという話から名づけられたと言われています。どのくらいおいしいのか、このユニークな料理名にも表れていますよね。

味つけはアンチョビで決まる。北欧の味に近づけるには「キビナゴ」がおすすめ

塩も使わないシンプルな味つけの決め手は、アンチョビ(小魚を塩などに漬けたもの)。日本で入手しやすい、イタリアンアンチョビはカタクチイワシ科の「カタクチイワシ」で作られていますが、スウェーデンはニシン科の「スプラット」を使用していて、似て非なるもの。でもご安心を。最近、日本でも同じニシン科の小魚「キビナゴ」で作られたアンチョビが出回り始めたので、より本場の味に近づけたい場合は、「キビナゴ」のアンチョビを使ってみてくださいね(カタクチイワシより小ぶりのため、調理のときには枚数を増やすなどの調整が必要です)。

そしてメイン食材となるじゃがいもは、加熱しても崩れにくいメイクイーンやインカのめざめなどがおすすめです。「ヤンソンの誘惑」のじゃかいもは細切りが特徴。オーブンで焼いたときに表面のじゃがいもがカリカリになるので、食感のアクセントにもなります。火も通りやすく時短になるのも嬉しいところ。

今回使用した耐熱鍋はノルウェーのFiggjo社による、VULCANUSシリーズ。直火にかけられる陶器なので、グラタン料理などで重宝しています。日本の伝統模様のようなフタの柄が素敵
今回使用した耐熱鍋はノルウェーのFiggjo社による、VULCANUSシリーズ。直火にかけられる陶器なので、グラタン料理などで重宝しています。日本の伝統模様のようなフタの柄が素敵

パーティーのメインにぴったり。もし余ったら、翌朝、オムレツの具にしてアレンジを楽しんで

「ヤンソンの誘惑」はアンチョビ入りなので、スウェーデンでも好んで飲まれているビールやワインとも相性ピッタリ。ホームパーティーでソーセージやハム、ピクルスなどのおつまみを食べている間にオーブンで焼き始めると、よい匂いが漂い、アツアツで食べるメイン料理にもなります。

私がパーティーで作るといつも、「お皿ごと抱えて食べたい!」と言われるくらい大好評。もし余ったら次の日の朝、オムレツの具にしていただいてもおいしいですよ!

プロフィール
フルタヨウコ

料理家・編集者。料理家としてレシピ寄稿やワークショップなどで活躍するほか、デザイン関係の書籍やウェブで編集・執筆なども手がける。ウェブメディア『北欧、暮らしの道具店』を運営するクラシコムで社員食堂を担うほか、自由大学にて「朝ごはん学」の教授を務める。また、制作&プロデュースをするオリジナルジャムは毎回、即完売する人気アイテム。著者は『北欧のおいしいスープ』(新星出版社)など。

連載『北欧レシピ』

現地の暮らしを知るには、その土地の食文化や伝統料理にふれることが一番の近道ではないでしょうか。伝統を重んじる北欧諸国では、100年以上受け継がれている食習慣やレシピがたくさんあります。そんな北欧の家庭料理を日本の食卓で味わえるレシピを紹介していきます。



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「幸福度が高い」と言われる北欧の国々。その文化の土台にあるのが「クラフトマンシップ」と「最先端」です。

湖や森に囲まれた、豊かな自然と共生する考え方。長い冬を楽しく過ごすための、手仕事の工夫。

かと思えば、ITをはじめとした最先端の技術開発や福祉の充実をめざした、先進的な発想。

カルチャーマガジン「Fika(フィーカ)」は、北欧からこれからの幸せな社会のヒントを見つけていきます。

スウェーデンの人々が大切にしてい「Fika」というコーヒーブレイクの時間のようにリラックスしながら、さまざまなアイデアが生まれる場所をめざします。

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