ロッチ コカドの幸福度はなぜ高い?「2番3番でもいい」の考え方

ロッチ コカドの幸福度はなぜ高い?「2番3番でもいい」の考え方

2021/11/25
インタビュー・テキスト
村上広大
撮影:西田香織 編集:青柳麗野

「大丈夫やから。焦んないで。どうにかなるから」。周囲の期待のなかでロッチが守り抜いたもの

―現在はそういう生活を手に入れていますが、かつては売れていない時期もあったわけじゃないですか。そういう頃も悩みはそんなに多くなかったですか?

コカド:売れないことに対する悩みはなかったですね。バイトしながらお笑いをやっているのが毎日楽しかったので。ただ、20代後半くらいの頃は、30歳になるまでにはどうにかせなあかんなと思っていました。それくらいの年齢になってくると、お笑いの道で食べていくことを諦める人たちが増えてくるので。幸いなことにロッチは29歳くらいからテレビに出られるようになって、30歳くらいからはお笑いだけで食べられるようになりましたけど。

そのとき、ひとつのゴールに辿り着いた気がしたんですよ。だから、いろんな人から「これから先はどうすんの?」って言われることに戸惑いました。自分としてはやっと夢が叶った状態だったので、「ちょっと待って」という気持ちで。実感を嚙みしめたかったというか。

だから、30代前半は精神的にしんどかったですね。早くキャリアを積みたいなと思っていました。いろいろ怒られたりすることも減るやろうし、諦めてもらえることも多くなるやろうから。40歳を過ぎてからは、そういうこともなくなって落ち着きましたけど。

―どうやって気持ちを切り替えたんですか?

コカド:切り替えるというよりも、自分のペースを保ち続けた感覚が近いかもしれないですね。お笑い自体、誰かにやれと言われてやっているわけではなくて、ただ自分がやりたいからやっているだけなので、嫌いになりたくはなかったんですよ。だから、周囲の人たちはあまりにもぼくたちのペースが遅いのでイライラしていたと思います。でも、それを崩してしまったらお笑いが嫌いになりそうやったから、「大丈夫やから。焦んないで。どうにかなるから」って言ってましたね。

コカドケンタロウ 

―周囲の期待があるなかで自分たちのペースを保つことは、言葉にする以上に難しい気がします。

コカド:ぼく、小学生の頃からそんな感じやったらしいんですよ。他人と比べて焦ったりすることがあまりないというか。そもそも1番になることが嫌やったんですよ。家に帰って「1番やった!」って親に報告するのが恥ずかしくて。リアクションされるのを想像するだけで嫌でした。「3番やった」とかなら気軽に言えるんですけど。だから、勝負ごとになるとわざと負けていましたね。

―それこそ、お笑いの世界なんて競争が熾烈じゃないですか。なかには1番になりたいと考えている方々も大勢いると思うのですが、コカドさんはそういう野望みたいなものはなかったのでしょうか?

コカド:同期がフットボールアワーなので(笑)。あの二人は養成所時代から別格やったし、はじめて岩尾(望)を見たときに一生勝たれへんねやって思いましたからね。比べたり、嫉妬したりしていたらやっていけないですよね。むしろ、2番でも3番でもいいと思っていました。

―でも、『キングオブコント』などの賞レースには出場されていますよね。

コカド:コントに関しては、自分にとって特別で、何よりも好きなもので、1番になりたい気持ちがあったんですよ。もちろん、キングになることを考えると恥ずかしくもあるんですけど(笑)。

―どうして1番に対する憧れがないのでしょうか?

コカド:そもそもぼくは、千原兄弟さん、ジャリズムさん、FUJIWARAさんとか、当時テレビで見ていた若手芸人の姿が楽しそうで、こうなりたいと思ってこの道を選んだんですよ。1番になりたいんじゃなくて、若手芸人になりたかった。でも、若手芸人なんてすぐになれるじゃないですか(笑)。じつはそこで夢がひとつ叶っているんですよ。だから、収入が全然なかったときもめちゃくちゃ楽しかったですし、辛いとかも思わなくて。

コカドケンタロウ 
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プロフィール

コカドケンタロウ

1978年生まれ、大阪府出身。中岡創一とお笑いコンビ「ロッチ」を結成。『キングオブコント』ファイナリストになるほか、『爆笑レッドシアター』などのネタ番組にも数多く出演。コントを中心とした単独ライブも定期的に開催。古着好きとしても有名で、趣味は古着やビンテージ家具の収集、サーフィン、サウナ、ドライブ、料理など。

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