Sigur Ros主催フェスを現地取材 アイスランドの絶景と共に紹介

Sigur Ros主催フェスを現地取材 アイスランドの絶景と共に紹介

テキスト・撮影
黒田隆憲
編集:山元翔一

絶景に想いを馳せながら聴く、Sigur Rosの美しく雄大な音楽

今回、Sigur Rosの演奏をアイスランドで聴いて実感したのは、やはりこの国の大自然と彼らの音楽は、とても深くつながっているということだった。凍てつく夜空に舞うオーロラや、岩の裂け目から吹き出す間欠泉、火山によって引き裂かれた地表などを目の当たりにし、そんな手つかずの自然と共存している人々を見ていると、「やはり彼らの音楽は、ここで生まれるべくして生まれたのだ」と思い知らされるのだ。

ゲイシールの間欠泉
ゲイシールの間欠泉

Sigur Rosの音楽を想起させるアイスランドの絶景の数々
Sigur Rosの音楽を想起させるアイスランドの絶景の数々

 

 

以前どこかのインタビューで、自分たちの音楽とアイスランドの自然について訊かれた際、ヨンシーはその関係性について否定的なコメントを出していたことがあった。

しかし、たとえばオッリの打ち鳴らすドラムスからは、岩を打ち砕くような大滝スコゥガフォスの轟きを筆者は感じたし、それとは対極をなす張り詰めたピアノの音には、極夜の空の静けさを確かに想起した。Sigur Rosだけでなく、他の多くのアイスランド出身のアーティストからも、そんな大自然の影響を感じることができたし、それこそがアイスランド音楽に流れる共通のトーンと言えるのかもしれない。

スコゥガフォスの滝
スコゥガフォスの滝

アイスランドのオーロラ
アイスランドのオーロラ

レイニスドランガルの奇岩
レイニスドランガルの奇岩

レイニスファラの海岸。別名・ブラックサンドビーチ
レイニスファラの海岸。別名・ブラックサンドビーチ

レイニスドランガルを望む灯台
レイニスドランガルを望む灯台

それにしても、なんて親密なフェス空間だったことだろう。冒頭で「Sigur Ros忘年会」と述べたが、一般のオーディエンスに混じってビョークがフラリと遊びに来ていたり、Sigur Rosのバンド名の由来にもなったヨンシーの妹の誕生日をステージ上で祝ったり、まるで大家族の集まる宴会場へ迷い込んでしまったような4日間だった。

今回が記念すべき第1回となる『Norður og Niður』、こんな忘年会なら毎年参加したいものだ。

12月30日の公演のあとに撮影された写真。2013年に脱退したキャータンとともに
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プロフィール

Sigur Ros
Sigur Ros(しがー ろす)

アイスランドを代表する唯一無比の3ピース・バンド。1997年にリリースされたファースト・アルバム『Von』(希望)でデビュー。その後、リリースされた『Agaetis Byrjun』(良き船出)で日本デビューを果たす。2002年に発売された『( )』はより高い評価を得て、グラミー賞へのノミネートなど数々の賞を受賞することとなる。2005年、『Takk...』(ありがとう)を発表。2007年には故郷アイスランドで全編撮影されたドキュメンタリー『Heima』(故郷)をリリース。翌年2008年に『Med sud i eyrum vid spilum endalaust』(残響)をリリースし、全米15位、全英5位、日本の洋楽チャート5位とバンドにとって史上最高位のチャートアクションを世界中で記録。同年10月には全4公演全てソールド・アウトとなった日本ツアーを行う。2008年11月、突如発表された活動休止宣言その直前に、ロンドンで行なわれた2公演を収録したライブ盤『Inni』をリリース。2012年5月、4年ぶりとなるアルバム『Valtari』(遠い鼓動)をリリースすると、史上最高全米位となる全米7位、全英8位を記録。2013年、日本武道館での公演を含む4都市で行われる日本ツアーで来日。同年発表の7作目『Kveikur』(クウェイカー)は全英9位、全米14位、オリコン19位を獲得。2017年12月、アイスランドの首都・レイキャヴィクにて、アートフェスティバル『Norður og Niður』を開催した。

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